行政計画とは、一定の公の目的のために目標を設定し、その目標を達成するための手段を総合的に示すものです。まちづくりを規制・誘導する都市計画などがその例です。
行政計画の分類では、特に次の2つの基準が重要です。
- 法律上の根拠があるかどうか
- 国民の権利義務を制限する拘束力があるかどうか
法律の根拠による分類
法定計画
法定計画とは、法律上の根拠を有する行政計画です。
ただし、法定計画であることと、国民の権利義務を制限する拘束力を有することは、別の問題です。
事実上の計画
事実上の計画とは、法律上の根拠を有しない行政計画です。行政計画には、法律の根拠を有する法定計画と、法律の根拠を有しない事実上の計画があります。
拘束力による分類
拘束的計画
拘束的計画とは、国民の権利義務を制限する拘束力を有する行政計画です。
侵害留保説によれば、国民の権利義務に関わる拘束的計画については、法的な根拠を必要とする法定計画でなければならないことになります。
非拘束的計画
非拘束的計画とは、国民の権利義務を制限する拘束力を有しない行政計画です。
2つの分類は別の基準で整理する
| 分類の基準 | ある場合 | ない場合 |
|---|---|---|
| 法律の根拠の有無 | 法定計画 | 事実上の計画 |
| 国民の権利義務を制限する拘束力の有無 | 拘束的計画 | 非拘束的計画 |
「法定計画・事実上の計画」は法律の根拠の有無による分類であり、「拘束的計画・非拘束的計画」は国民の権利義務を制限する拘束力の有無による分類です。
行政計画の変更・廃止と信頼保護
行政計画は、時代の変化などにより変更・廃止されることがあります。行政主体は、原則として一度決定した施策に拘束されません。
もっとも、特定の者に対して計画に適合する活動をするよう個別的・具体的に勧告・勧誘し、その者が計画の継続を信頼して相当長期にわたる活動や準備活動に入り、計画の変更によって社会観念上看過できない程度の積極的損害を受ける場合があります。このようなときは、損害を補償するなどの代償的措置を講じず、やむを得ない客観的事情もないまま計画を変更すると、信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、不法行為責任が生じることがあります。
一度決定された施策であっても、代償的措置を講ずれば変更できる場合がある点に注意が必要です。
まとめ
行政計画は、一定の公の目的のために目標を設定し、その達成手段を総合的に示すものです。法律上の根拠があれば法定計画、なければ事実上の計画と呼ばれます。また、国民の権利義務を制限する拘束力があれば拘束的計画、なければ非拘束的計画です。侵害留保説によれば、拘束的計画については法的な根拠が必要となります。
