審査請求とは?対象となる処分や不作為をわかりやすく解説

審査請求とは?行政庁の処分や不作為を見直してもらう手続

審査請求とは、行政庁による違法または不当な処分や不作為について、行政庁などに不服を申し立て、見直しを求める手続です。行政不服審査法に定められており、国民の権利利益を救済するとともに、行政の適正な運営を確保することを目的としています。

申立先は、処分や不作為をした行政庁のほか、その上級行政庁や第三者機関などです。行政不服審査法上の不服申立てには、審査請求のほか、再調査の請求と再審査請求があります。ただし、後者2つは法律に定めがある場合に限って利用できます。そのため、審査請求に一元化されています。

審査請求の対象となる「処分」とは

行政不服審査法でいう処分は、行政庁の処分その他、公権力の行使に当たる行為です。処分は、行政行為よりも若干範囲の広い意味で用いられています。

審査請求は、法律に列挙された行為だけを対象にするのではなく、原則として処分に当たる行為を広く対象とする一般概括主義を採用しています。また、違法な処分だけでなく、不当な処分も対象となります。

審査請求の対象となる「不作為」とは

不作為とは、法令に基づく申請に対して、行政庁が何らの処分もしないことです。成立には、次の2つの条件が必要です。

  1. 法令に基づく申請がされていること
  2. その申請に対する処分がされていないこと

法令に基づく申請によらず、単に行政庁が何らかの対応をしていない場合は、行政不服審査法上の不作為には当たりません。

審査請求できない処分・不作為もある

審査請求は処分や不作為を広く対象としますが、行政不服審査法には適用除外があります。次のような処分や不作為については、原則として同法による審査請求ができません。

行政不服審査法の適用除外となる主な事項

  • 国会の両院若しくは一院または議会の議決によってされる処分
  • 裁判所若しくは裁判官の裁判により、または裁判の執行としてされる処分
  • 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、またはこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
  • 検査官会議で決すべきものとされている処分
  • 当事者間の法律関係を確認・形成する処分で、法令の規定により、その処分に関する訴えにおいて法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められている処分
  • 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官または司法警察職員がする処分
  • 国税または地方税の犯則事件に関する法令に基づく処分、ならびに金融商品取引の犯則事件に関する法令に基づく処分
  • 学校、講習所、訓練所または研修所において、教育、講習、訓練または研修の目的を達成するためにされる処分
  • 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院または少年鑑別所において、収容の目的を達成するためにされる処分
  • 外国人の出入国または帰化に関する処分
  • 専ら人の学識技能に関する試験または検定の結果についての処分
  • 行政不服審査法に基づく処分
  • 国の機関または地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関または団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの、およびその不作為

適用除外に当たる場合でも、別の法律に、処分や不作為の性質に応じた不服申立ての制度が定められていることがあります。処分に見える行為であっても、必ず審査請求できるとは限らないため、根拠法令の確認が重要です。

まとめ

審査請求とは、行政庁の違法または不当な処分や不作為について、行政上の見直しを求める手続です。処分は公権力の行使に当たる行為、不作為は法令に基づく申請に対して処分をしないことを指します。ただし、法律上の適用除外や特別な不服申立ての制度があるため、個別の根拠法令を確認する必要があります。