抗告訴訟とは?法定抗告訟と法定外抗告訟の違いを解説

抗告訴訟とは、行政庁の「公権力の行使」に関する不服の訴訟です(行政事件訴訟法3条1項)。

抗告訴訟は、行政事件訴訟法に定められた「法定抗告訴訟」と、それ以外の「法定外抗告訟(無名抗告訴訟)」に分けられます。

抗告訴訟とは

行政事件訴訟法3条1項では、抗告訴訟を「行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟」と定めています。

行政事件訴訟法では、抗告訴訟として6種類を定めていますが、抗告訴訟をこの6種類に限定しているわけではありません。そのため、6種類以外の抗告訟が認められる余地もあります。

法定抗告訟とは

行政事件訴訟法に定められた6種類

法定抗告訟とは、行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟です。具体的には、次の6種類があります。

  1. 処分の取消しの訴え:行政庁の処分その他の公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟
  2. 裁決の取消しの訴え:審査請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の取消しを求める訴訟
  3. 無効等確認の訴え:処分や裁決の存否またはその効力の有無の確認を求める訴訟
  4. 不作為の違法確認の訴え:行政庁が法令に基づく申請に対して、相当の期間内に処分や裁決をしないことの違法確認を求める訴訟
  5. 義務付けの訴え:行政庁に処分や裁決をすべき旨を命じることを求める訴訟
  6. 差止めの訴え:行政庁が一定の処分や裁決をしてはならない旨を命じることを求める訴訟

このうち、義務付けの訴えと差止めの訴えは、以前は法定外抗告訟とされていました。しかし、平成16年の行政事件訴訟法改正により、法定抗告訟となりました。

法定外抗告訟とは?法定抗告訟との違い

法定外抗告訟の意味

法定外抗告訟とは、行政事件訴訟法に定められた6種類以外で認められる抗告訴訟です。「無名抗告訴訟」と呼ばれることもあります。

行政事件訴訟法3条1項は、抗告訴訟を6種類に限定していません。そのため、6種類以外でも、行政庁の公権力の行使に関する不服を争う訴訟が認められる余地があります。

法定抗告訟との違い

比較項目 法定抗告訟 法定外抗告訟
法律上の定め 行政事件訴訟法に定められている 行政事件訴訟法に個別の定めがない
種類 6種類 6種類以外で認められるもの
別名 特になし 無名抗告訴訟
共通点 行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟

まとめ

抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟です。行政事件訴訟法に定められた処分の取消し、裁決の取消し、無効等確認、不作為の違法確認、義務付け、差止めの6種類が法定抗告訟に当たります。

これら6種類以外で認められる抗告訟が、法定外抗告訟です。