取消判決の形成力と第三者効とは?処分の効力が消滅する仕組みを解説

取消訴訟で本案審理を経て認容判決(取消判決)がされると、当該処分の効力は遡及して消滅し、当初からその処分がされなかったのと同じ状態になります。

このような取消判決の効力を形成力といいます。また、形成力は第三者に対しても効力を有します。これが形成力の第三者効です。

ここでは、取消判決によって処分の効力が消滅する仕組みを、法律初心者向けに説明します。

取消判決の「形成力」とは

取消判決によって処分の効力が遡及して消滅する

取消判決とは、取消訴訟で原告の請求が認められ、処分や裁決が取り消される判決です。取消判決がされると、対象となった処分の効力は遡及して消滅します。

つまり、法律上は、当初からその処分がされなかったのと同じ状態になります。判決によって処分の効力を消滅させるこの力を形成力と呼びます。

違法と宣言されるだけでは形成力は生じない

処分に違法な点があっても、裁判所がその処分を取り消さなければ、形成力によって処分の効力が消滅するわけではありません。

処分又は裁決が違法であっても、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害が生じ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認められる場合、裁判所は請求を棄却し、判決の主文で違法であることを宣言することがあります。これを事情判決といいます。この場合は処分が取り消されたわけではないため、取消判決の形成力は生じません。

形成力の「第三者効」とは

行政事件訴訟法32条1項により、取消判決の形成力は第三者に対しても効力を有します。これが第三者効です。

つまり、取消判決によって処分の効力が消滅し、当初からその処分がされなかったのと同じ状態となる効果は、訴訟当事者以外の第三者にも及びます。

まとめると、形成力は取消判決によって処分の効力を遡及して消滅させる力であり、第三者効はその形成力が第三者に対しても及ぶことを意味します。