地方議会の議決権とは、条例や予算など、地方公共団体の重要な事項について、議会として賛否を決める権限です。地方議会は、住民が選挙した議員で構成される議事機関であり、議決を通じて地方公共団体の意思を決定します。
議会が議決できる事項は、原則として地方自治法などに定められています。中心となる規定が地方自治法96条1項です。
地方議会が議決できる主な事項
条例・予算・税など
議会は、次のような事項を議決します。
- 条例の制定・改正・廃止
- 予算の決定
- 決算の認定
- 地方税の賦課・徴収
- 分担金、使用料、加入金、手数料の徴収
ただし、地方税の賦課・徴収や分担金、使用料、加入金、手数料の徴収については、法律または法律に基づく政令に定めがある場合を除き、議決の対象となります。
契約・財産に関する事項
一定の契約の締結や財産の取扱いも、議決事項です。具体的には、政令の基準に従って条例で定める契約、財産の交換・出資・支払手段としての使用、適正な対価のない譲渡・貸付け、不動産の信託などが含まれます。
このほか、政令の基準に従い条例で定める財産の取得・処分、負担付きの寄附・贈与の受入れ、法律・政令・条例に特別の定めがある場合を除く権利の放棄、条例で定める重要な公の施設の長期かつ独占的な利用についても、議決が必要です。
争訟・損害賠償など
地方公共団体が当事者となる審査請求などの不服申立て、訴えの提起、和解、あっせん、調停、仲裁についても議決します。また、法律上地方公共団体の義務に属する損害賠償の額、区域内の公共的団体などの活動の総合調整、法律や政令などによって議会の権限とされた事項も対象です。
議決事項には原則と例外がある
原則は法律などに定められた事項に限られる
地方自治法96条1項の議決事項は、限定して列挙されています。そのため、重要な問題であっても、法律上の根拠がなければ、議会が当然に議決できるわけではありません。「議会で議決したい事項」と「法律上議決できる事項」は区別する必要があります。
条例で議決事項を追加できる場合
もっとも、地方自治法96条2項は、条例によって、普通地方公共団体に関する事件を議会の議決事項として定めることを認めています。したがって、96条1項にない事項でも、条例に定めがあれば議決の対象となり得ます。
ただし、法定受託事務については、国の安全に関することなど、政令で定める「議決事項とすることが適当でないもの」は除かれます。つまり、議決事項は原則として限定列挙ですが、条例による追加という例外があります。
まとめ
地方議会の議決権は、条例、予算、決算、税・料金、契約、財産、寄附、権利放棄、争訟、損害賠償など、地方公共団体の重要事項について意思決定する権限です。判断する際は、地方自治法などに定められた法定の議決事項と、条例によって追加された議決事項を分けて確認することが重要です。
