商人の補助者とは?商業使用人と補助商の種類をわかりやすく解説

商人の補助者とは、商人や会社の営業・事業を手助けする者です。商人に雇用され、商人に従属して活動する「商業使用人」と、商人から独立して外部から取引を補助する「補助商」に分けられます。

スポンサーリンク

商人の補助者とは?商業使用人と補助商の違い

商人の補助者の意味

商人が営業を円滑に進めるには、営業所で業務を担当する使用人や、外部から取引を支援する者が必要です。これらを広く「商人の補助者」といいます。個人商人の商業使用人については商法に、会社の商業使用人については会社法に規定があります。

商業使用人と補助商の違い

  • 商業使用人:商人や会社に雇用され、商人や会社に従属して営業・事業を補助する者
  • 補助商:商人や会社から独立し、外部から取引を補助する者

商業使用人には支配人、ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人、物品の販売等を目的とする店舗の使用人が含まれます。補助商には代理商、問屋、仲立人などがあり、代理商は独立した商人です。

商業使用人の3種類と権限

支配人

支配人は、商人や会社から権限を与えられ、支配人登記をされた者です。商人は営業所で営業を行わせるために支配人を選任でき、会社は本店または支店で事業を行わせるために支配人を選任できます。「支店長」「営業所長」といった役職名だけでは、法律上の支配人とは限りません。支配人自身は独立した商人ではなく、商人や会社の使用人です。

支配人は、担当する営業所の営業・事業について、商人や会社に代わり、裁判上・裁判外の一切の行為をする包括的な代理権を持ちます。また、その営業所の使用人を選任・解任できます。代理権に加えた制限は、善意の第三者には対抗できません。

支店長などの名称を付けられていても、支配人登記がされていない者は法律上の支配人ではなく、「表見支配人」と呼ばれます。表見支配人には裁判上の代理権はありませんが、相手方が悪意でない限り、営業所の営業・事業について裁判外の行為をする権限があるものとみなされます。

支配人は、商人や会社の許可なしに、自ら営業をしたり、その営業の部類に属する取引を自己または第三者のために行ったりできません。また、他の商人・会社の使用人になることや、他の会社の取締役などになることも制限されます。競業取引に違反した場合でも、取引自体は有効ですが、商人や会社に対して損害賠償責任を負うことになります。また、競業取引によって支配人または第三者が得た利益の額は、商人や会社に生じた損害額と推定されます。

ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人

課長や係長など、ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人です。委任された種類・事項について、一切の裁判外の行為をする権限を持ちます。この代理権への制限は、善意の第三者には対抗できません。

物品の販売等を目的とする店舗の使用人

店員など、物品の販売・賃貸その他これらに類する行為を行う店舗の使用人です。相手方が悪意でない限り、その店舗にある物品の販売等をする権限があるものとみなされます。

補助商の種類とそれぞれの役割

代理商

代理商は、商人や会社のために、その平常の営業・事業の部類に属する取引の代理または媒介をする者で、使用人ではない者です。独立した立場にあります。

  • 締約代理商:商人や会社を代理して契約を締結する者
  • 媒介代理商:契約の成立を媒介するが、契約を締結する代理権は持たない者

代理商は、許可なしに同種の取引を自己または第三者のために行ったり、同種事業を行う会社の取締役などになったりすることを制限されます。違反した取引も有効ですが、商人や会社に対する損害賠償責任を負います。また、競業取引によって代理商または第三者が得た利益の額は、商人や会社に生じた損害額と推定されます。

代理や媒介を行った代理商は、商人や会社に対して報酬を請求できます。また、代理や媒介によって生じた債権の弁済期が到来している場合、別段の定めがなければ、弁済を受けるまで、商人や会社のために占有する物や有価証券を留置できます。代理商は、取引の代理または媒介をしたときは、遅滞なく商人や会社にその旨を通知しなければなりません。

問屋

問屋は、自己の名をもって、他人のために物品の販売または買入れを行う者です。取引相手との関係では問屋自身が権利を取得し、義務を負います。一般的な「卸売業者」という意味の問屋とは異なる点に注意が必要です。

問屋は、委託者が指定した金額である「指値」に従って売買をする必要があります。指値に違反した売買は、原則として委託者に対して効力を生じませんが、問屋が自ら差額を負担するときは、委託者に対して効力を生じます。

仲立人

仲立人は、他人間の商行為の媒介を業とする者です。契約当事者の間を取り持つ立場であり、媒介した行為について、原則として当事者のために支払その他の給付を受けることはできません。当事者が匿名を希望したときは、仲立人が自ら相手方に履行する責任を負います。

当事者間で媒介した行為が成立したときは、仲立人は、各当事者の氏名または名称、行為の年月日および要領を記載した「結約書」を作成し、各当事者に交付しなければなりません。仲立人は、結約書を交付した後に報酬を請求でき、報酬は当事者双方が等しい割合で負担します。