契約の申込みを断った商人に物品の保管義務はある?商法510条を解説

契約の申込みを断った商人でも、申込みとともに物品を受け取っていた場合、その物品を直ちに処分できるとは限りません。商法510条は、一定の条件を満たすとき、申込者の費用で物品を保管するよう商人に求めています。

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商法510条の結論|申込みを拒絶しても原則として保管義務がある

商人が、その営業の部類に属する契約の申込みを受け、その申込みとともに物品を受け取った後で申込みを拒絶した場合、原則として、その物品を保管しなければなりません。

保管にかかる費用は、商人ではなく申込者が負担します。契約そのものは成立していなくても、受け取った物品については商法510条による保管義務が別に生じる点が重要です。

保管義務が発生する4つの条件

  1. 物品を受け取った者が商人であること
    商法510条の対象は商人です。
  2. 営業の部類に属する契約の申込みであること
    その商人の営業に関係する契約の申込みであることが必要です。
  3. 申込みとともに物品を受け取っていること
    申込みとともに物品を受け取ったことが必要です。
  4. 申込みを拒絶したこと
    商人が申込みを断った場合に問題となります。

商法510条の例外と費用負担

保管費用は申込者が負担する

保管に必要な費用は、申込者の負担です。

物品の価額が保管費用に足りない場合

物品の価額が、その保管に必要な費用に足りない場合、商人は保管義務を負いません。

物品の送付で商人が損害を受けた場合

物品の送付を受けたことによって商人が損害を受けた場合も、商人は保管義務を負いません。

まとめ

商人がその営業の部類に属する契約の申込みとともに物品を受け取り、その申込みを拒絶したときは、原則として商法510条により、申込者の費用で物品を保管する義務を負います。

ただし、物品の価額が保管費用に足りない場合や、送付によって商人が損害を受けた場合は、保管義務を負いません。