営業譲渡の際、譲受人が「譲渡人の債務を引き受ける」と広告すると、譲渡人の債権者は、譲受人に対して弁済を請求できます。譲受人が譲渡人の商号を使い続けていなくても、このルールは適用されます。
営業譲渡で債務を引き受けると広告すると、譲受人も弁済責任を負う
譲受人が、譲渡人の営業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をした場合、譲渡人の債権者は譲受人に対して弁済を請求できます。商人の場合は商法18条1項、会社の場合は会社法23条1項が根拠です。
商号を引き継いでいないことだけでは、責任を免れません。譲渡人の商号を続用する場合の責任とは別に、商号を続用しない場合でも、債務を引き受ける旨を広告したときは、譲受人が弁済責任を負います。
譲受人が責任を負う場合の対象
対象となるのは、譲渡人の営業によって生じた債務です。譲受人が広告した内容にかかわらず、譲渡人のすべての債務について当然に責任を負うわけではありません。
なお、譲受人が譲渡人の商号を続用する場合には、商法17条・会社法22条に基づく別の責任が生じることがあります。今回のルールは、商号を続用していない場合でも、債務を引き受ける旨を広告したときに適用されるものです。
広告後2年以内に請求などをしなければ譲渡人の責任は消滅する
譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任を負う場合でも、譲渡人の責任がいつまでも続くわけではありません。広告があった日後2年以内に、譲渡人に対して弁済を請求するか、請求の予告をしなかった債権者については、2年が経過した時点で、譲渡人の責任が消滅します。
まとめ
- 譲受人が譲渡人の債務を引き受けると広告すると、譲渡人の債権者は譲受人に弁済を請求できる。
- 譲渡人の商号を引き継いでいなくても、広告による責任は成立する。
- 対象は、譲渡人の営業によって生じた債務である。
- 広告があった日後2年以内に譲渡人に対して請求または請求の予告をしなければ、譲渡人の責任は消滅する。
