報酬について特約がない場合、行為をした側は報酬を請求できるのでしょうか。
民法上は、委任契約について特約がなければ報酬を請求できないのが原則です。しかし、商人がその営業の範囲内で他人のために行為をしたときは、商法512条により、特約がなくても相当な報酬を請求できます。
商法512条により、商人は特約がなくても報酬を請求できる
民法では特約がなければ報酬請求できないのが原則
委任契約とは、ある人が別の人に事務の処理を依頼し、依頼を受けた人がそれを引き受ける契約です。民法では、この委任契約は無報酬が原則とされています。
そのため、受任者が報酬を受け取るには、原則として、報酬を支払うという特約が必要です。
商法512条は商人について異なるルールを定めている
これに対し、商法512条は、商人がその営業の範囲内で他人のために行為をした場合には、報酬について特約がなくても、相当な報酬を請求できると定めています。
つまり、商人については、民法上の「特約がなければ無報酬」という原則が商法によって修正されています。
特約なしで報酬を請求するための条件
商法512条を根拠に報酬を請求するには、次の条件を満たす必要があります。
- 商人が行為をしたこと:商法512条の対象は商人です。
- 営業の範囲内であること:商人がその営業の範囲内で行為をしている必要があります。
- 他人のために行為をしたこと:他人のために行為をしたことが必要です。
請求できるのは「相当な報酬」
商法512条によって請求できるのは、相当な報酬です。
商人でない者が行った場合や、営業の範囲外の行為である場合には、商法512条を根拠とする報酬請求はできません。
まとめ
商人は、営業の範囲内で、他人のために行為をした場合、報酬の特約がなくても、商法512条により相当な報酬を請求できます。
ただし、商人であること、営業の範囲内で行為をしたこと、他人のために行為をしたことが必要です。民法では特約がなければ無報酬が原則ですが、商法512条は商人についてこの原則を修正しています。
