発起設立では、発起人による出資の履行が完了した後、設立時取締役などが会社設立の手続に問題がないかを確認します。この確認手続が、会社法46条1項に定められた設立事項の調査です。
調査の対象は、現物出資の価額や出資の履行状況、定款や法令に沿って設立手続が進められているかどうかです。ここでは、調査を行う者や時期、具体的な調査事項を解説します。
発起設立における設立事項の調査とは
設立時取締役などが設立手続を確認する手続
設立事項の調査は、株式会社の設立に関する一定の事項を、設立時取締役などが確認する手続です。出資が適切に行われているか、現物出資の価額が妥当か、設立手続に法令違反や定款違反がないかを確認します。
調査を行う者と時期
設立時取締役全員が、選任後遅滞なく調査を行います。
ただし、設立する会社が監査役設置会社である場合は、設立時取締役と設立時監査役が調査します。発起設立では、発起人による出資の履行が完了した後、設立時役員等が選任され、その選任後に調査を行います。なお、発起設立では、定款により設立時役員等を定めておくこともできます。
設立事項の調査で確認する4つの事項
1.現物出資財産等の定款記載額が相当であること
現物出資財産等がある場合、定款に記載された価額が相当であるかを調査します。現物出資財産等がなければ、この事項は調査対象になりません。
2.弁護士等による証明が相当であること
現物出資財産等の価額について弁護士等の証明がある場合は、その証明が相当であるかどうかも確認します。証明がない場合、この事項の調査は必要ありません。
3.出資の履行が完了していること
発起人が、定款で定められた出資の履行を完了しているかを調査します。
4.設立手続が法令または定款に違反していないこと
上記以外にも、会社設立に関する手続を確認します。会社法などの法令に違反していないか、また定款に定めた内容と異なる進め方になっていないかを調査します。この確認は、現物出資の有無にかかわらず行われます。
まとめ
発起設立における設立事項の調査とは、設立時取締役などが、出資や会社設立の手続に問題がないかを確認する手続です。設立時役員等の選任後、遅滞なく実施します。
- 現物出資財産等の定款記載額が相当であること
- 弁護士等による証明がある場合、その証明が相当であること
- 出資の履行が完了していること
- 設立手続が法令または定款に違反していないこと
なお、現物出資や弁護士等による証明に関する調査は、それらが存在する場合に限られる点に注意が必要です。
