株主総会に出席できない場合でも、議案への賛否を示す方法があります。代表的なのが、紙を使う議決権行使書面と、インターネットなどを利用する電子投票です。ここでは、それぞれの意味や違いを初心者向けに解説します。
株主総会の議決権行使書面とは
議決権行使書面の意味
議決権行使書面とは、会社から送付された株主総会の各議案が記載された書面に、議案ごとの賛否を記入して会社へ返送する方法です。株主総会の会場に行かなくても、自分の意思を議案ごとに示せます。
厳密には、「議決権行使書面」は、書面によって議決権を行使する制度を指します。
書面で議決権を行使した場合の扱い
書面で議決権を行使した株主は、実際には会場へ出席していなくても、定足数や議決権の計算上は出席したものとして扱われます。定足数とは、株主総会の決議を成立させるために必要な出席議決権数のことです。そのため、書面による行使は、総会の成立や決議に必要な議決権の算定にも反映されます。
書面による議決権行使が必要となる会社
議決権を行使できる株主が1,000人以上いる会社は、書面による議決権行使を認めなければなりません。一方、株主数が1,000人未満の会社でも、株主総会の招集事項を決める際に、書面による行使を認めることができます。
電子投票とは?議決権行使書面との違い
電子投票の意味
電子投票とは、インターネットに接続したパソコンなどを利用し、電磁的方法で議決権を行使する方法です。取締役又は取締役会が株主総会の招集事項を決める際に、電子的な方法による議決権行使を認める旨を定めた場合に利用できます。
電子投票をした株主の扱い
電子投票をした株主も、会場に出席していなくても、定足数や議決権の計算上は出席者として扱われます。この点は、書面による議決権行使と共通しています。
議決権行使書面と電子投票の違い
| 比較項目 | 議決権行使書面 | 電子投票 |
|---|---|---|
| 行使方法 | 賛否を記入して返送 | インターネットなどで入力 |
| 媒体 | 紙の書面 | 電磁的方法 |
| 利用条件 | 会社が書面による行使を認めている場合 | 会社が電子投票を認めている場合 |
| 議決権の計算 | 出席者として扱う | 出席者として扱う |
両者の共通点は、株主総会に出席しなくても議決権を行使できることです。主な違いは、紙に記入して返送するか、電子的に入力するかという点にあります。なお、1,000人以上の議決権を行使できる株主がいる会社には、書面による行使を認める必要があります。
株主が議決権を行使するときの確認事項
- 招集通知や議決権行使に関する案内を確認する
- 書面による行使と電子投票のどちらが認められているかを確認する
- 書面の場合は各議案への賛否を記入し、案内に従って返送する
- 電子投票の場合は、会社が案内する方法で各議案への賛否を入力する
書面・電子投票のいずれも、議決権の計算上は出席者として扱われます。ただし、株主総会に直接出席する方法や、代理人に議決権行使を任せる方法とは異なるため、利用方法を混同しないよう注意が必要です。
まとめ
- 議決権行使書面は、議案への賛否を紙に記入して返送する方法
- 電子投票は、インターネットなどを利用して電磁的方法で行使する方法
- 1,000人以上の議決権を行使できる株主がいる会社では、書面による行使を認める必要がある
- 両者とも、会場に出席しなくても議決権の計算上は出席者として扱われる
実際に利用できる方法は会社によって異なるため、株主総会の招集通知や議決権行使に関する案内を確認しましょう。
