持分会社の出資払戻しとは?合同会社で請求できる場合を解説

持分会社では、社員が会社に払い込んだ出資について、払戻しを請求できる制度があります。ただし、合同会社では、社員が希望するだけで出資金を返してもらえるわけではありません。会社法上の原則と合同会社に適用される特則を確認する必要があります。

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持分会社の出資払戻しとは

出資払戻しの意味

出資払戻しとは、社員が持分会社に対し、すでに出資として払い込んだ金銭や、給付した財産の払戻しを請求することです(会社法624条)。

出資の目的が金銭以外の財産であった場合は、その財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求します。

対象となる「持分会社」

持分会社とは、次の3種類の会社を指します。

  • 合名会社
  • 合資会社
  • 合同会社

ただし、出資払戻しについては、合同会社に特別な制限があります。

持分会社では出資払戻しを請求できるのが原則

会社法624条は、社員が持分会社に対して、すでに出資した金銭などの払戻しを請求できると定めています。そのため、合名会社と合資会社では、原則として社員からの出資払戻しが認められます。

たとえば、金銭ではなく機械やその他の財産を出資していた場合も、出資した財産の価額に相当する金銭の払戻しを求めることができます。

もっとも、合同会社については、会社法632条がこの原則に対する特則を定めています。

合同会社では出資払戻しを自由に請求できない

合同会社の原則

合同会社の社員は、原則として、出資払戻しを自由に請求できません。したがって、社員が「出資した100万円を返してほしい」と一方的に求めても、定款を変更して出資の価額を減少させる場合などでなければ、原則として認められません。

合同会社で出資払戻しが認められる場合

合同会社で出資払戻しが問題となるのは、定款を変更して出資の価額を減少させる場合などです。単なる返還請求ではなく、出資の価額を減少させるための手続が必要になります(会社法632条)。

また、出資払戻しや持分の払戻しのために資本金の額を減少させる場合は、債権者を保護するための手続が必要です(会社法626条、627条)。

合同会社の出資払戻しで確認すべきポイント

  • 会社の種類が合名会社、合資会社、合同会社のどれか
  • 定款を変更して出資の価額を減少させる場合に当たるか
  • 資本金を減少させる場合に債権者保護手続が必要か

なお、退社した社員が受ける持分の払戻しと、会社に在籍したまま出資を返してもらう出資払戻しは別の制度です。相続または合併により持分を承継する者がいる場合を除き、退社した社員は、出資の種類を問わず、持分会社から持分の払戻しを受けることができます(会社法611条1項)。

まとめ

持分会社の出資払戻しとは、社員がすでに払い込んだ出資などの返還を請求する制度です。持分会社では請求できるのが原則ですが、合同会社では会社法632条の特則により、自由な請求は認められません。

合同会社で出資払戻しを行うには、定款を変更して出資の価額を減少させる場合など、法律上の手続が必要です。実際に請求できるかは、会社の種類、定款の内容、資本金の減少の有無を確認して判断しましょう。