会社分割の効力発生日とは?権利義務が承継される時期を解説

会社分割では、契約を結んだ日や株主総会で承認された日ではなく、法律上の「効力発生日」に権利義務の承継が生じます。効力発生日は、吸収分割と新設分割で異なります。

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会社分割の効力発生日は、吸収分割と新設分割で異なる

吸収分割の場合

吸収分割とは、分割会社の事業に関する権利義務の全部または一部を、すでに存在する別の会社である承継会社に引き継がせる手続です。

吸収分割の効力発生日は、吸収分割契約で定めた日です。その日になると、吸収分割契約に従い、分割会社の権利義務が承継会社に承継されます(会社法759条1項)。

新設分割の場合

新設分割は、分割会社の事業に関する権利義務の全部または一部を、新しく設立する会社に引き継がせる手続です。

効力発生日は、新設会社が成立した日(設立登記日)です。新設分割計画に従い、その日に分割会社の権利義務が新設会社に承継されます(会社法764条1項)。

効力発生日に、分割対象の権利義務が承継される

承継される範囲

効力発生日になると、吸収分割契約または新設分割計画に従い、分割会社の事業に関する権利義務が承継会社または新設会社に包括的に承継されます。対象は事業の全部の場合も、一部の場合もあります。

個別の権利義務を一つずつ譲渡するのではなく、会社分割の効力によって包括的に承継される点が、会社分割の特徴です。

効力発生日より前との違い

吸収分割契約を締結した日や株主総会の承認日には、会社分割の効力そのものは発生しません。必要な手続を経たうえで、吸収分割では契約で定めた日、新設分割では新設会社の成立日に承継が生じます。

効力発生日を迎えるために必要な主な手続

株主総会の承認

吸収分割では、原則として分割会社と承継会社の双方で、吸収分割契約について株主総会の特別決議による承認が必要です。新設分割では、原則として分割会社で新設分割計画の承認を受けます。

また、株主や債権者を保護するため、契約・計画の内容を開示し、一定の株主による株式買取請求や、一定の債権者による異議申立てが認められます。

承認を省略できる主な場合

法律上、株主総会の承認が常に必要とは限りません。主な例は次のとおりです。

  • 簡易吸収分割:承継会社に移転する資産の合計額が分割会社の総資産額の5分の1を超えない場合、分割会社の承認を省略できます。また、分割会社に対して承継会社が交付する金銭等の額が承継会社の純資産額の5分の1を超えない場合、承継会社の承認を省略できます。
  • 簡易新設分割:新設会社へ移転する資産の合計額が分割会社の総資産額の5分の1を超えない場合、分割会社の承認を省略できます。
  • 略式吸収分割:一方の会社が他方の会社の議決権の10分の9以上を有する特別支配会社である場合、被支配会社の承認を省略できます。

したがって、会社分割の効力発生日を確認する際は、契約または計画の日付だけでなく、承認や債権者保護などの必要な手続が適切に進められているかも確認する必要があります。