成文法と不文法の違いとは?具体例をわかりやすく解説

法は、さまざまな方法で分類できます。

その一つが、「成文法」と「不文法」という分類です。

成文法と不文法

簡単にいうと、

成文法=文章として書かれている法

不文法=文章として制定されていない法

という違いがあります。

成文法とは

成文法とは、一定の手続によって制定され、文字や文章によって表現されている法です。

文章として明確に示されているため、内容が分かりやすく、法的な安定性が高いという特徴があります。一方、一度制定されると、社会や時代の変化にすぐ対応するのが難しいという面もあります。

代表的な成文法には、次のものがあります。

種類内容
成文憲法文章として制定された憲法。日本では日本国憲法が該当する
法律国会が制定する法
命令内閣などの行政機関が制定する法
条例都道府県や市町村などの地方公共団体が制定する法

なお、「法律」と「命令」を合わせて、一般に「法令」と呼ぶことがあります。

これらの法の内容が互いに矛盾する場合には、どの法を優先するのかという問題が生じます。この点については「法の効力」で扱います。

不文法とは

不文法とは、成文法のように一定の手続によって文章として制定されたものではないものの、法として認められているものをいいます。

代表的なものとして、

慣習法・判例法・条理があります。

慣習法

慣習法とは、社会の中で長期間にわたって一定の行為が繰り返され、それが法として認められるようになったものです。

単に「昔からこうしている」というだけではなく、その慣習に法的な効力が認められていることがポイントです。

判例法

判例法とは、裁判所が過去に示した判断が、その後の同じような事件を判断する際の先例として機能するものです。

日本では、裁判官が過去の判例に必ず従わなければならないとする一般的な規定があるわけではありません。

しかし、特に最高裁判所の判例は重要な先例として扱われ、実際の裁判や法律の解釈に大きな影響を与えています。

条理

条理とは、簡単にいえば物事の道理や筋道のことです。

裁判では、問題となっている事柄について適用できる法律や慣習法などが存在しない場合があります。

そのような場合に、社会一般の道理や物事の筋道に照らして問題を解決するという考え方が条理です。

ただし、条理そのものについて明確な規定が存在するわけではないため、条理を法源として扱うべきかについては議論があります。

まとめ:成文法と不文法の違い

最後に整理すると、次のようになります。

成文法不文法
基本的な違い文章として制定されている文章として制定されていない
代表例憲法・法律・命令・条例慣習法・判例法・条理
特徴明確で安定性が高い社会の実情などに対応しやすい

行政書士試験では、まず、

「憲法・法律・命令・条例=成文法」

「慣習法・判例法・条理=不文法」

という基本的な分類を押さえておきましょう。