訴訟上の和解と訴訟外の和解の違いとは?強制執行の可否も解説

和解には、裁判手続の途中で成立する「訴訟上の和解」と、訴訟の途中ではなく当事者間で成立する「訴訟外の和解」があります。どちらも、当事者が譲歩して争いを終わらせる点は共通しています。

大きな違いは、成立する時期や方法に加え、相手が約束を守らない場合に強制執行できるかどうかです。

訴訟上の和解と訴訟外の和解とは

訴訟上の和解とは

訴訟上の和解とは、民事訴訟の途中で、当事者が譲歩して合意し、訴訟を終了させる方式です。裁判官は、訴訟の進行中、いつでも当事者に和解を勧めることができます(民事訴訟法89条)。

和解の内容が裁判所の調書に記載されると、確定判決と同一の効力が認められます(民事訴訟法267条)。

訴訟外の和解とは

訴訟外の和解は、訴訟の途中ではなく、当事者が譲歩して争いをやめる和解契約をすることです。

ただし、訴訟外の和解契約だけでは、確定判決と同じ効力は生じません。

訴訟上の和解と訴訟外の和解の違い

比較項目 訴訟上の和解 訴訟外の和解
成立する時期 訴訟の途中 訴訟の途中ではない段階
成立方法 合意内容を裁判所の調書に記載 当事者間で和解契約を締結
訴訟との関係 和解によって訴訟が終了 訴訟手続を利用せずに解決
効力 確定判決と同一の効力 和解契約としての効力
強制執行 可能 契約だけでは不可

強制執行ができるのはどちらの和解か

訴訟上の和解は強制執行ができる

和解の内容が調書に記載されると確定判決と同一の効力を有するため、相手が和解で約束した金銭の支払いなどを履行しない場合、強制執行を行うことができます。

訴訟外の和解は、そのままでは強制執行できない

訴訟外の和解契約が成立していても、それだけを根拠に強制執行することはできません。相手が約束を守らない場合は、別途訴訟を提起し、判決を得る必要があります。その判決を得て初めて、強制執行が可能になります。

まとめ

  • 訴訟上の和解は、訴訟中の合意内容が裁判所の調書に記載されて成立する。
  • 訴訟外の和解は、訴訟の途中ではなく、当事者間の和解契約で成立する。
  • 訴訟上の和解は確定判決と同一の効力を持つため、強制執行ができる。
  • 訴訟外の和解は、それだけでは強制執行できず、別途判決が必要となる。