内閣総理大臣の指名・任命とは?国会と天皇の役割をわかりやすく解説

「内閣総理大臣の指名」と「任命」は、どちらも総理大臣を決める手続ですが、行う機関と意味が異なります。指名は国会、任命は天皇が行います。

決定までの基本的な順序は、国会による指名、その後の天皇による任命です。

内閣総理大臣の「指名」と「任命」の違い

指名とは、国会が候補者を決めること

憲法67条1項は、内閣総理大臣を国会の議決で指名すると定めています。指名とは、国会が「誰を内閣総理大臣にするか」を決める手続です。

この議決は、国会における他のすべての案件に先立って行われます。内閣総理大臣を決めることが、国会の重要な先決事項とされているためです。

任命とは、国会の指名に基づき天皇が任命すること

憲法6条1項により、天皇は国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命します。天皇が独自の判断で候補者を選ぶわけではなく、国会の指名が前提です。

そのため、国会の指名なしに天皇が内閣総理大臣を任命することはできません。

国会による内閣総理大臣の指名

内閣総理大臣は国会議員から指名される

内閣総理大臣は、国会議員でなければなりません。したがって、国会議員でない者を内閣総理大臣に指名することはできません。

さらに、内閣総理大臣と国務大臣は、いずれも文民である必要があります。文民とは、職業軍人ではなく、以前に軍国主義思想に染まっていないような人を指します。

天皇による任命と決定までの流れ

  1. 国会が内閣総理大臣を指名する
  2. 国会の指名に基づき、天皇が内閣総理大臣を任命する
  3. 任命された内閣総理大臣が国務大臣を任命し、内閣を組織する

内閣総理大臣が欠けたときや、衆議院議員総選挙後に初めて国会が召集されたときは、内閣は総辞職しなければなりません。また、衆議院で不信任決議案が可決され、又は信任決議案が否決された場合に、10日以内に衆議院が解散されないときも、総辞職が必要です。

この場合も、新しい内閣総理大臣を国会が指名し、その指名に基づいて天皇が任命します。その後、新しい内閣総理大臣が国務大臣を任命して、新たな内閣を組織します。

まとめ|内閣総理大臣は国会が指名し、天皇が任命する

  • 内閣総理大臣の指名を行うのは国会
  • 指名の対象は国会議員でなければならない
  • 国会の指名に基づき、天皇が任命する
  • 天皇が独自に総理大臣を選ぶのではない
  • 決定の順序は「国会の指名」から「天皇の任命」である