特別裁判所の設置禁止とは?弾劾裁判所や家庭裁判所との違い

日本国憲法は、司法権を最高裁判所と法律の定めるところにより設置する下級裁判所に帰属させ、特別裁判所を設置することを禁止しています。

もっとも、憲法が例外的に認めている機関として弾劾裁判所があります。一方、家庭裁判所は特別裁判所ではありません。ここでは、両者の違いを分かりやすく解説します。

特別裁判所の設置禁止とは

憲法76条が定める原則

憲法76条1項は、司法権が最高裁判所と、法律によって設置される下級裁判所に属すると定めています。そして同条2項は、特別裁判所を設置できないとしています。

特別裁判所とは、一般の裁判所とは別に設けられ、特定の種類の事件や特定の立場の人だけを裁く裁判所を指します。つまり、事件の性質や当事者によって裁判所を分け、通常の裁判所とは異なる組織に司法権を行わせることは、認められません。

明治憲法下の行政裁判所や軍法会議は、特別裁判所の例です。

弾劾裁判所は特別裁判所の例外

弾劾裁判所は、裁判官の弾劾裁判を行う機関です。

弾劾裁判所は憲法64条に定められています。したがって、特別裁判所の設置禁止に反して設けられたのではなく、憲法そのものが例外として認めた機関です。

機関 位置づけ
特別裁判所 設置禁止
弾劾裁判所 憲法64条が認めた例外
家庭裁判所 通常裁判所の一つ

家庭裁判所は特別裁判所ではない

家庭裁判所は、一般的に司法権を行う通常裁判所です。そのため、憲法76条が禁止する特別裁判所には当たりません。最高裁判所も、家庭裁判所は特別裁判所ではないと判断しています(最大判昭31・5・30)。

まとめ

  • 憲法76条は、特別裁判所の設置を禁止している
  • 明治憲法下の行政裁判所や軍法会議は、特別裁判所の例である
  • 弾劾裁判所は、憲法64条が例外的に認めた機関である
  • 家庭裁判所は通常裁判所の一つであり、特別裁判所ではない