時効の更新とは?更新事由や承認による時効のリセットを解説

時効の更新とは、進行していた時効期間をリセットし、更新事由が終了した時などから新たに時効を進行させる制度です。裁判手続や強制執行のほか、権利の承認によっても時効は更新されます。

時効の更新とは?完成猶予との違い

時効の更新の意味

時効の更新が起こると、それまで経過した期間は引き継がれません。更新事由が終了した時点などを基準に、時効期間が新たに進み始めます。ただし、新たな起算点は更新事由によって異なります。

時効の完成猶予との違い

完成猶予は、一定期間、時効が完成しないようにする制度です。一方、更新は、これまでの時効の進行をリセットする制度です。裁判上の請求などでは、まず完成猶予が生じ、権利が確定すると更新に移ります。

時効の更新事由

裁判上の請求などで権利が確定した場合

裁判上の請求、支払督促、訴訟上の和解・調停、破産手続などへの参加があると、原則として手続中は時効の完成が猶予されます。その後、確定判決などにより権利が確定すると、手続終了時から時効が新たに進行します。権利が確定しないまま手続が終わった場合は、更新ではなく、終了時から6か月の完成猶予が生じます。

強制執行などが終了した場合

強制執行、担保権の実行、競売、財産開示手続などが行われている間は、原則として時効の完成が猶予されます。終了後も債権が残っていれば、終了時から時効が更新されます。ただし、申立ての取下げや法律の規定に従わないことによる取消しで終了した場合は、更新されません。

権利の承認があった場合

民法152条では、権利の承認があったとき、その時から時効が新たに進行すると定めています。裁判を起こさなくても更新される点が特徴です。承認をする者には、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことや、権限があることは必要ありません。

時効の更新の効果と注意点

更新の効果は原則として当事者間に限られる

裁判上の請求、強制執行、承認による更新の効力は、原則として更新事由が生じた当事者とその承継人の間だけに及びます。連帯債務者の一人が承認しても、他の連帯債務者の時効まで当然に更新されるわけではありません。

手続による更新には通知が必要な場合がある

強制執行や仮差押え・仮処分の手続は、時効の利益を受ける者に対して行われない場合、その者に通知をした後でなければ、完成猶予や更新の効力が生じません。手続を知らない人に不利益を与えないためのルールです。

更新されない完成猶予事由もある

事由 効果
承認 承認時から時効を更新
裁判上の請求など 権利確定後、手続終了時から更新
催告・仮差押え・協議を行う旨の合意など 一定期間、完成を猶予するだけ

まとめ:承認などにより時効はリセットされる

時効の更新とは、進行中の時効をリセットし、新たな時効を進めることです。主な更新事由は、権利が確定した裁判手続、一定の場合の強制執行、そして権利の承認です。催告や仮差押えなどは原則として完成猶予にとどまるため、更新との違いに注意しましょう。また、更新の効力は原則として当事者間に限られます。