無主物・遺失物・埋蔵物の所有権は誰のもの?取得できる条件を解説

道端で物を見つけたり、土地を掘って古い品物が出てきたりしても、発見した人がすぐに所有権を取得できるとは限りません。民法は、所有者がいない物、所有者が意図せず失った物、埋まっている物を区別し、それぞれについて所有権を取得する条件を定めています。

無主物の所有権は誰のもの?

無主物とは

無主物とは、現在、所有者がいない物をいいます。前の所有者から売買や相続で引き継ぐのではなく、一定の要件を満たした人が新たに所有権を取得します。これを原始取得といいます。

無主物が動産の場合

所有者のいない動産は、所有の意思をもって占有した人が所有権を取得します(民法239条1項)。単に発見しただけでは足りず、自分の物として支配する意思が必要です。

無主物が不動産の場合

所有者のいない不動産は、個人が先に使い始めても取得できず、国庫に帰属します(民法239条2項)。無主物であっても、動産と不動産では帰属先が異なります。

遺失物の所有権は誰のもの?

拾った時点では取得できない

遺失物とは、所有者が意図せずに失った物です。所有者が存在する可能性があるため、無主物のように、拾って占有しただけで所有権を取得することはできません。

所有権を取得できる条件

遺失物法の定めに従って公告をした後、3か月以内に所有者が判明しないときは、拾得者が所有権を取得します(民法240条)。したがって、「落ちていたから捨てられた物だろう」と判断して持ち帰ることはできません。

埋蔵物の所有権は誰のもの?

発見しただけでは取得できない

埋蔵物とは、土地や物の内部に埋まっていて、所有者が分からない物です。埋蔵物も、発見時に直ちに発見者の所有物になるわけではなく、遺失物法に従った公告が必要です。

自分の所有する物の中から見つけた場合

公告後6か月以内に所有者が判明しないときは、発見者が所有権を取得します(民法241条)。

他人の所有物の中から見つけた場合

他人の所有する物の中から発見した場合は、発見者だけの所有にはなりません。同じく公告後6か月以内に所有者が判明しなければ、発見者と、その物を所有する他人が等しい割合で共有します。

無主物・遺失物・埋蔵物の違い

種類 所有権を取得する人 主な条件
無主物・動産 所有の意思をもって占有した人 所有者がいないこと
無主物・不動産 国庫 所有者がいないこと
遺失物 拾得者 公告後3か月以内に所有者が判明しないこと
埋蔵物 原則として発見者 公告後6か月以内に所有者が判明しないこと
他人の所有物中の埋蔵物 発見者と所有者 両者が等しい割合で共有

まとめ

無主物は、動産であれば所有の意思をもって占有した人が取得しますが、不動産は国庫に帰属します。遺失物は公告後3か月、埋蔵物は公告後6か月、所有者が判明しないことが必要です。特に埋蔵物は、発見場所が他人の所有物である場合、発見者と所有者の共有になる点に注意しましょう。