建物の建築や製作物の製作を請負契約で依頼した場合、完成した物の所有権が注文者と請負人のどちらに帰属するのかが問題になります。結論は、特約があればその定めに従い、特約がなければ材料の提供状況や報酬の支払状況をもとに判断するというものです。
請負契約とは
請負契約とは、請負人が仕事を完成させ、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払う契約です(民法632条)。
特約がない場合の所有権の帰属
請負人が材料の全部または主要部分を提供した場合
請負人が材料の全部または主要部分を提供した場合、完成物の所有権は、まず請負人に帰属します。その後、完成物が注文者に引き渡されることで、所有権が注文者へ移転します(大判大3・12・26)。
注文者が材料の大部分を提供した場合
注文者が材料の大部分を提供したときは、完成と同時に注文者へ所有権が原始的に帰属します。
注文者が報酬の大半を支払っていた場合
注文者が報酬の大半を支払っていた場合も、完成と同時に注文者へ所有権が原始的に帰属します(大判昭7・5・9)。
まとめ
請負契約で完成した建物や製作物の所有権は、特約がある場合にはその定めに従います。特約がなく、請負人が材料の全部または主要部分を提供した場合は、完成時には請負人に所有権が帰属し、引渡しによって注文者へ移転します。一方、注文者が材料の大部分を提供した場合や報酬の大半を支払っていた場合は、完成と同時に注文者へ所有権が原始的に帰属します。
