遺言には、通常の状況で作成する「普通方式」と、死亡の危急にある場合や船舶内にいる場合などに利用できる「特別方式」があります。特別方式は、普通方式の遺言ができない一定の場合に認められる例外的な方式です。
特別方式の遺言とは
遺言は、民法が定める方式に従って作成しなければなりません。方式には、次の2種類があります。
- 普通方式:自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言
- 特別方式:死亡危急者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言
特別方式は、普通方式の遺言ができない一定の場合に認められます。
特別方式の遺言4種類
| 種類 | 利用できる状況 | 立会いなど |
|---|---|---|
| 死亡危急者の遺言 | 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫っている | 証人3人以上 |
| 伝染病隔離者の遺言 | 伝染病のため行政処分により交通を断たれた場所にいる | 警察官1人、証人1人以上 |
| 在船者の遺言 | 船舶内にいる | 船長または事務員1人、証人2人以上 |
| 船舶遭難者の遺言 | 船舶が遭難し、その船舶内にいて死亡の危急に迫っている | 証人2人以上 |
死亡危急者の遺言
疾病その他の事由によって死亡の危急にある人が利用できます。証人3人以上の立会いをもって、そのうち1人に遺言の趣旨を口授して遺言をします。
伝染病隔離者の遺言
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にいる人が利用できます。警察官1人と証人1人以上の立会いをもって遺言書を作成します。
在船者の遺言
船舶内にいる人が利用できます。船長または事務員1人と、証人2人以上の立会いをもって遺言書を作成します。
船舶遭難者の遺言
船舶が遭難し、その船舶内にいて死亡の危急に迫っている人が利用できます。証人2人以上の立会いをもって、口頭で遺言をします。
特別方式の遺言はいつまで有効か
特別方式の遺言は、普通方式で遺言をすることができるようになった後も、無期限に効力が続くわけではありません。遺言者が普通方式で遺言をすることができるようになった時から6か月間生存すると、特別方式の遺言は無効になります。
まとめ
- 特別方式の遺言は、普通方式で遺言をすることができない一定の場合に認められる
- 種類は、死亡危急者、伝染病隔離者、在船者、船舶遭難者の4つ
- 必要な立会人の人数や、口頭・書面の違いは方式ごとに異なる
- 普通方式で遺言をすることができるようになってから6か月間生存すると、特別方式の遺言は無効になる
