未成年者の法定代理人とは、法律上、未成年者に代わって法律行為をしたり、未成年者が行う法律行為に同意したりできる人のことです。主な法定代理人には、親権者である父母と未成年後見人がいます。
この記事では、親権者と未成年後見人の違い、法定代理人に認められる権限、同意のない契約の扱いを説明します。
未成年者の法定代理人とは
未成年者の法律行為を支える人
未成年者とは、18歳未満の人をいいます(民法4条)。未成年者は、原則として法定代理人の同意を得なければ、単独で有効に法律行為をすることができません(民法5条1項)。法律行為とは、契約など、法律上の権利や義務を発生させる行為です。
未成年者の法定代理人は、親権者である父母です。未成年後見人が選任された場合には、未成年後見人が法定代理人になります。
同意なしの契約は「無効」ではなく取り消せる
法定代理人の同意が必要な行為を、未成年者が同意なしに行っても、契約が最初から当然に無効になるわけではありません。原則として、未成年者本人または法定代理人が取り消すことができます(民法5条2項、120条1項)。
取消しがされるまでは、契約は一応有効なものとして扱われます。
未成年者の法定代理人になる親権者・未成年後見人
親権者
親権者とは、未成年者について親権を行う父母をいいます。親権者は、未成年者が法律行為をする際に同意を与えられるほか、未成年者に代わって法律行為をすることもできます。
未成年後見人
未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言によって未成年後見人を指定できます(民法839条1項本文)。指定がない場合は、親族その他の利害関係人などの請求により、家庭裁判所が未成年後見人を選任します(民法840条1項)。
選任された未成年後見人は、未成年者の保護者となり、その法律行為を支える法定代理人となります。親権者と未成年後見人は選ばれる経緯は異なりますが、いずれも未成年者のために同意や代理を行う立場です。
法定代理人に認められる主な権限
法律行為への同意・取消し
法定代理人は、未成年者が契約などをすることに同意できます。同意なしに行われた法律行為は、未成年者または法定代理人が取り消せます。未成年者本人が取り消す場合、法定代理人の同意は必要ありません。
未成年者を代理して法律行為をする権限
法定代理人は、未成年者に代わって法律行為をすることもできます(民法824条・859条)。つまり、未成年者自身が法定代理人の同意を得て契約する方法と、法定代理人が未成年者を代理して契約する方法があります。
同意がなくても単独でできる法律行為
次の行為には、原則として法定代理人の同意は必要ありません。
- 単に権利を得る、または義務を免れる行為(負担のない贈与を受ける行為や債務の免除を受ける行為など)。ただし、債務の弁済を受ける行為は、債権が消滅するため含まれません。
- 法定代理人から目的を定めて処分を許された財産を、その目的の範囲内で処分する行為
- 目的を定めずに処分を許された財産を処分する行為
- 法定代理人から営業の許可を受けた場合に、その営業の範囲で行う法律行為
営業の許可を受けた未成年者は、許可された営業について成年者と同じように法律行為ができます(民法6条1項)。ただし、その営業を続けることが難しい事情があるときは、法定代理人が許可を取り消したり、制限したりできます(同条2項)。
まとめ
未成年者の法定代理人とは、未成年者を法律上代理できる者です。主な法定代理人は、親権者である父母と未成年後見人です。法定代理人には、未成年者の法律行為に同意する権限と、未成年者を代理して法律行為をする権限があります。
同意が必要な行為を未成年者が単独で行っても、契約が当然に無効になるのではなく、未成年者本人または法定代理人が取り消せるのが原則です。一方、単に権利を得る行為や、許可された財産の処分などは、同意なしに行える場合があります。
