国の安全配慮義務違反による損害賠償請求の消滅時効は何年?

国の安全配慮義務違反による損害賠償請求の消滅時効は20年

国の安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求については、国を相手とする請求であっても、会計法30条が定める5年ではなく、民法の消滅時効期間が適用されます。

最高裁判所は、かつての民法の規定により、消滅時効期間を10年と判断しました。現行民法では、人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権に該当することから、消滅時効期間は20年と解されます。

安全配慮義務とは

安全配慮義務とは、一定の法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間で、信義則上認められる義務です。

国と公務員との関係では、国は、公務遂行のために設置・管理する場所、施設、器具などや、公務の管理にあたり、公務員の生命や健康などを危険から保護するよう配慮すべき義務を負います。

会計法30条の5年ではなく民法が適用される理由

会計法30条は、国を当事者とする金銭債権について、5年の消滅時効を定めています。

しかし、安全配慮義務違反による損害賠償請求は、被害者に生じた損害を公正に填補することを目的とするものです。この点で、私人相互間の損害賠償関係と目的や性質が異ならないため、会計法30条の5年ではなく、民法の消滅時効期間が適用されます。

判例が示した判断

最高裁判所昭和50年2月25日判決は、自衛官の息子を亡くした両親が、国の安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求した事案について、会計法30条の5年ではなく、当時の民法により10年と判断しました。

現行民法では、人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権に該当することから、消滅時効期間は20年と解されます。

まとめ

  • 国の安全配慮義務違反による損害賠償請求に、会計法30条の5年が適用されるわけではない
  • 判例は、民法上の損害賠償請求権として、旧民法のもとでは10年と判断した
  • 現行民法では、人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権として、消滅時効期間は20年と解される