国家公務員の分限処分とは?免職・休職・降任の違いを解説

国家公務員の「分限処分」とは、懲戒以外の理由で、職員の身分を不利益な状況に変動させる処分です。代表的なものに、免職・休職・降任があります。

同じ「免職」という名称でも、分限免職と懲戒免職は意味が異なります。この記事では、国家公務員の分限処分の内容と、処分を受ける場合の職員の保障を解説します。なお、国家公務員法は、原則として一般職の国家公務員に適用され、特別職には原則として適用されません。

国家公務員の分限処分とは

分限処分は、懲戒以外の理由で、職員の身分を不利益な状況に変動させるものです。主な種類は次の3つです。

  • 免職:職員の意に反して、その職を失わせる処分
  • 休職:職員としての身分を保有させたまま、一定期間、職務に従事させない処分
  • 降任:職員が現に有する職よりも下位の職に任命する処分

分限処分と懲戒処分の違い

懲戒処分は、国家公務員法若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合、職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合に行われます。懲戒処分には、免職・停職・減給・戒告があります。

一方、分限処分は懲戒以外の処分です。そのため、分限免職と懲戒免職は、名称は同じでも、理由と処分の性質が異なります。

免職・休職・降任の違い

免職

免職は、職員の意に反して、その職を失わせる処分です。人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして勤務実績がよくない場合、心身の故障のため職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合、官職に必要な適格性を欠く場合などに、降任または免職の対象となります。また、官制若しくは定員の改廃又は予算の減少によって職が廃止されたり、過員となったりした場合も対象となります。

休職

休職は、職員としての身分を保有させたまま、一定期間、職務に従事させない処分です。本人の意に反して行われる休職は、心身の故障のため長期の休養を要する場合や、刑事事件に関し起訴された場合が事由となります。免職とは異なり、休職によって職員としての身分を失うわけではありません。

降任

降任は、現に有する職よりも下位の職に任命する処分です。勤務実績、心身の故障、官職に必要な適格性の欠如、官制若しくは定員の改廃や予算の減少による過員などが事由となります。職そのものを失わせる免職とは異なりますが、職務上の地位を下げるため、不利益な処分に当たります。

分限処分を受ける場合のルールと職員の保障

職員は、法律または人事院規則に定められた事由がなければ、本人の意に反して降任・休職・免職をされません。任命権者が自由に処分できるわけではなく、法律上の事由に該当する必要があります。

本人の意に反する降任・休職・免職などを行う場合、処分をする者は、処分の事由を記載した「説明書」を職員に交付しなければなりません。職員は、この説明書によって処分の事由を確認できます。

さらに、処分説明書の交付を要する処分を受けた職員は、人事院に対して審査請求をすることができます。期間は、処分説明書を受領した日の翌日から起算して3か月以内です。ただし、処分があった日の翌日から1年を経過すると、審査請求はできません。

まとめ

  • 分限処分は、懲戒以外の理由で職員の身分を不利益な状況に変動させる処分です。
  • 免職は職を失わせ、休職は身分を残して職務に従事させず、降任は下位の職に任命する処分です。
  • 分限免職は、法令違反などを理由とする懲戒免職とは異なります。
  • 法律上の事由、説明書の交付、人事院への審査請求など、職員には一定の保障があります。