国の普通財産の売買代金請求権に会計法の5年時効は適用される?

国が所有する土地や建物などを売り払った場合、国が相手方に代金を請求できる権利は、何年で消滅時効にかかるのでしょうか。

会計法30条は、国を当事者とする金銭債権について、5年の消滅時効を定めています。しかし、国の普通財産の売払いによって生じた売買代金請求権には、会計法30条の5年時効は適用されません。

普通財産の売買代金請求権に会計法の5年時効は適用されない

国の普通財産の売払いは、国有財産法や会計法の各規定に準拠して行われます。もっとも、手続の根拠が行政法規にあるからといって、売払いによって生じる法律関係まで公法上の関係になるわけではありません。

国の普通財産の売払いは本質上私法関係であり、その結果生じる代金請求権も、公法上の金銭債権ではなく、私法上の金銭債権と扱われます。

なぜ民法の時効規定が適用されるのか

普通財産の売払いは本質的に私法関係だから

普通財産とは、国が所有する財産のうち、公の目的で使用しない財産をいいます。国がその財産を売り払う場合、国有財産法や会計法の規定に準拠して手続が行われますが、その法律関係は本質上私法関係です。

そのため、国が関与していることや、会計法上の手続に従って行われることだけで、代金請求権に会計法30条が適用されるわけではありません。

最高裁判例の判断

最高裁判所は、昭和41年11月1日判決で、国の普通財産の売払いについて、国有財産法および会計法の各規定に準拠して行われたとしても、その法律関係は本質上私法関係であると判断しました。

その結果として生じる代金請求権も私法上の金銭債権であり、公法上の金銭債権ではないため、会計法30条の5年の消滅時効には服さないとしています。

消滅時効を判断するときのポイント

この問題では、国が債権者であるかどうかだけを見るのではなく、請求権がどのような法律関係から発生したのかを確認します。普通財産の売払いによる代金請求権は私法上の金銭債権であるため、会計法30条ではなく、民法の消滅時効規定によって判断されます。

したがって、普通財産の売買代金が一律に5年で時効消滅すると考えることはできません。

まとめ

  • 国の普通財産の売払いによる代金請求権に、会計法30条の5年時効は適用されない
  • 売払いは国有財産法や会計法の規定に準拠して行われるものの、本質的には私法関係である
  • 代金請求権は私法上の金銭債権であり、消滅時効は民法の規定によって判断される
  • 根拠となる判例は、最高裁昭和41年11月1日判決である