「過料」と「科料」は、どちらも「かりょう」と読みますが、法律上の意味は異なります。過料は行政上の秩序罰であり、科料は刑罰の一種です。この記事では、行政上の秩序罰の意味、過料と科料の違い、過料が科される手続を説明します。
行政上の秩序罰とは
行政上の義務違反に対する制裁
行政上の秩序罰とは、行政上の義務を守らなかった場合に、その違反に対する制裁として科されるものです。行政罰の一種であり、比較的軽微な行政法規違反に対する金銭的な制裁とされています。
行政罰には、行政刑罰と行政上の秩序罰があります。行政刑罰が刑罰としての性質を持つのに対し、行政上の秩序罰は、行政上の義務違反に対する金銭的な制裁です。
行政上の秩序罰では「過料」が科される
行政上の秩序罰として科される金銭的制裁が「過料」です。「科料」と読み方は同じですが、過料は刑罰ではありません。この点が、両者を区別する重要なポイントです。
過料と科料の違い
過料は行政上の秩序罰、科料は行政刑罰
| 種類 | 法律上の性質 |
|---|---|
| 過料 | 行政上の秩序罰 |
| 科料 | 行政刑罰(刑罰の一種) |
科料は、刑法に定められた刑名の一つです。行政刑罰では、科料のほか、拘禁刑、罰金、拘留などの刑名が用いられます。
手続と性質も異なる
科料は刑罰であるため、原則として刑法総則が適用され、刑事訴訟法に定められた手続によって裁判所が科します。
これに対して、過料は刑事制裁ではありません。過料事件では、非訟事件手続法に基づく手続が用いられます。同じ金銭の支払いでも、過料と科料では、法的な性質も手続も異なります。
行政上の秩序罰である過料の手続
法律違反の場合
国の法律に違反した場合は、非訟事件手続法に基づき、地方裁判所で過料が科されます。過料事件では、刑事事件のような厳格な裁判手続ではなく、裁判所が職権で手続を開始し、審理も職権で行います。
条例・規則違反の場合
普通地方公共団体の条例や規則に違反した場合は、地方自治法に基づき、地方公共団体の長が過料を科します。
つまり、法律違反では、非訟事件手続法に基づいて地方裁判所が過料を科し、条例・規則違反では、地方自治法に基づいて地方公共団体の長が科すという違いがあります。
まとめ
- 行政上の秩序罰は、行政上の義務違反に対する制裁です。
- 行政上の秩序罰として科されるのは「過料」です。
- 「科料」は行政刑罰であり、過料とは異なります。
- 法律違反の過料は、非訟事件手続法に基づき地方裁判所で科されます。
- 条例・規則違反の過料は、地方自治法に基づき地方公共団体の長が科します。
