行政庁に許認可などの申請を提出した場合、行政庁が申請を受け取ったまま放置してよいわけではありません。行政手続法7条は、申請が行政庁の事務所に到達したとき、行政庁は遅滞なく審査を始めなければならないと定めています。
もっとも、審査を開始する義務は、申請を直ちに認める義務ではありません。申請内容を確認した結果、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない場合は、補正を求めるか、申請によって求められた許認可などを拒否しなければなりません。
行政庁の審査開始義務とは
申請が事務所に到達したら、遅滞なく審査を開始する
行政手続法7条前段では、申請が行政庁の事務所に到達したときは、行政庁が遅滞なく審査を開始しなければならないとされています。
審査開始義務は、行政庁が申請を受け付けた後、審査を始めることを求める義務です。
審査開始義務は、許認可を直ちに認める義務ではない
審査を開始した結果、申請が法令に定められた要件に適合していないと判断されれば、許認可などが認められないこともあります。
つまり、「審査を始めること」と「申請を認めること」は別の問題です。
申請に不備がある場合の補正要求と拒否
形式上の要件に適合しない申請とは
法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請には、次のようなものがあります。
- 申請書の記載事項に不備がある
- 申請書に必要な書類が添付されていない
- 申請をすることができる期間内にされていない
- その他、法令に定められた申請の形式上の要件に適合していない
行政庁は「補正を求める」か「拒否する」
形式上の要件に適合しない申請について、行政庁は行政手続法7条後段に基づき、速やかに次のいずれかの対応をしなければなりません。
- 申請者に対し、相当の期間を定めて補正を求める
- 申請によって求められた許認可などを拒否する
不備があるからといって、行政庁に必ず補正を求める義務があるわけではありません。補正を求めるか、拒否するかのいずれかを行えばよいとされています。
審査開始義務と補正要求・拒否の関係
申請が行政庁の事務所に到達すると、行政庁には遅滞なく審査を開始する義務が生じます。そのうえで、申請が法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない場合には、速やかに補正を求めるか、許認可などを拒否しなければなりません。
補正を求める場合には相当の期間を定める必要があります。また、行政庁は、補正を求めずに許認可などを拒否することもできます。
まとめ
- 行政庁は、申請が事務所に到達したら遅滞なく審査を開始しなければならない
- 形式上の要件に適合しない申請については、補正を求めるか、許認可などを拒否する
- 不備があっても、行政庁が必ず補正を求めるとは限らない
- 審査開始義務は、申請を直ちに認める義務ではない
