審査請求はどこにする?審査庁の決め方をわかりやすく解説

審査請求は、必ずしも処分をした行政庁に申し立てるとは限りません。審査請求を受けて審理し、裁決をする行政庁は「審査庁」と呼ばれます。

審査庁を決めるときは、まず対象となる処分の根拠法令や条例を確認しましょう。法律に特別の定めがある場合や、条例に基づく処分で条例上の定めがある場合は、その定めが行政不服審査法4条の一般的なルールに優先します。

審査請求をする先は「審査庁」|まず特別な定めを確認

審査庁とは

審査庁とは、審査請求について審理を行い、最終的に裁決をする行政庁です。対象が行政庁の処分である場合だけでなく、法令に基づく申請をしたのに相当な期間が経過しても処分がされない「不作為」の場合も、基本的には同じルールで審査庁を決めます。

ここでいう「処分庁等」とは、問題となっている処分をした行政庁、または不作為が問題となっている行政庁を指します。

法律や条例に特別な定めがある場合

審査請求先について、法律に行政不服審査法4条とは異なる定めがあれば、その法律に従います。条例に基づく処分では、条例に特別な定めがあるかを確認し、定められた行政庁に審査請求をします。

審査庁の決め方|上級行政庁の有無を確認

上級行政庁がない場合

処分庁等を行政事務について指揮監督する上級行政庁が存在しない場合は、処分庁等に直接審査請求をします。

一定の行政庁が処分庁等である場合

処分庁等が次の行政庁である場合も、処分庁等そのものが審査請求先です。

  • 主任の大臣
  • 宮内庁長官
  • 内閣府設置法に規定する庁の長
  • 国家行政組織法に規定する庁の長

上級行政庁がある場合

上級行政庁があるときは、その種類に応じて次のように判断します。

  • 上級行政庁が宮内庁長官または内閣府設置法・国家行政組織法に規定する庁の長である場合は、その行政庁
  • 上級行政庁が主任の大臣である場合は、その主任の大臣。ただし、処分庁等に直接請求する場合および上記の行政庁が上級行政庁である場合を除く
  • 処分庁等に直接請求する場合および上記の場合以外は、処分庁等の最上級行政庁

「上級行政庁」と「最上級行政庁」の意味

上級行政庁とは、単に組織上の上位機関という意味ではありません。処分庁等の行政事務について、指揮監督する権限を持つ行政庁をいいます。

最上級行政庁とは、上級行政庁の中でも最上位にある行政庁です。したがって、組織図だけでなく、実際に指揮監督権限を持つ行政庁を確認する必要があります。

審査請求先を間違えないための確認手順

  1. 対象が処分または法令に基づく申請に対する不作為かを確認する
  2. 処分庁等がどの行政庁かを特定する
  3. 根拠法令・条例に特別な定めがないか確認する
  4. 特別な定めがなければ、上級行政庁の有無を確認する
  5. 上級行政庁の種類に応じて審査庁を特定する

「処分をした行政庁に不服があるから、必ずそこへ請求する」とは限りません。特別な定めと行政庁同士の指揮監督関係を確認して、正しい審査庁に申し立てることが重要です。

まとめ

審査請求をする先は、原則として行政不服審査法4条により定められる審査庁です。まず法律や条例の特別な定めを確認し、定めがなければ、処分庁等に上級行政庁があるかを調べます。上級行政庁がなければ処分庁等に、ある場合は行政庁の種類に応じて該当する上級行政庁または最上級行政庁に審査請求をします。