行政庁に法令に基づく申請をしたにもかかわらず、相当な期間が過ぎても処分がされないことがあります。このような行政庁の対応を不作為といい、不服がある場合は不作為について審査請求ができます。
不作為の審査請求に対する審査庁の最終的な判断が裁決です。不作為についての審査請求に対する裁決には、却下・棄却・認容の3種類があります。
不作為に対する審査請求と裁決とは
不作為とは
不作為とは、申請を受けた行政庁が、相当な期間が経過しても処分をしないことです。不作為についての審査請求では、その不作為が違法または不当かが判断されます。
裁決とは
裁決は、審査請求に対する審査庁の最終的な判断です。不作為についての審査請求では、却下・棄却・認容のいずれかの裁決がされます。
不作為の審査請求に対する3種類の裁決
却下裁決
不作為についての審査請求が、当該不作為に係る処分についての申請から相当な期間が経過しないでされた場合その他不適法である場合、審査庁は審査請求を却下します(行政不服審査法49条1項)。
棄却裁決
不作為についての審査請求に理由がない場合、審査庁は審査請求を棄却します(行政不服審査法49条2項)。
認容裁決
不作為についての審査請求に理由がある場合、審査庁は、不作為が違法または不当である旨を宣言します(行政不服審査法49条3項)。
さらに、申請に対して一定の処分をすべきものと認められるときは、審査庁の立場により、次の措置をとります。
- 審査庁が不作為庁の上級行政庁の場合:不作為庁に一定の処分をすべき旨を命じる
- 審査庁が不作為庁自身の場合:自ら一定の処分をする
却下・棄却・認容の違い
| 裁決 | 意味 | 不作為についての判断 |
|---|---|---|
| 却下 | 審査請求が不適法 | 不作為についての審査請求を却下する |
| 棄却 | 審査請求に理由がない | 審査請求を棄却する |
| 認容 | 審査請求に理由がある | 不作為が違法または不当である旨を宣言する |
不作為に対する裁決の方式と効力
裁決は、審査庁が記名押印した裁決書によりしなければなりません。裁決書には、主文、事案の概要、審理関係人の主張の要旨、理由が記載されます。再審査請求をすることができる裁決の場合は、再審査請求ができる旨、再審査請求をすべき行政庁および再審査請求期間も記載されます。
裁決は、審査請求人に送達された時に効力が生じます。また、裁決は関係行政庁を拘束します。ただし、関係行政庁を拘束するとは、同一の事実関係において、同一の理由により、同一の処分をすることができないという意味です。
まとめ
不作為とは、申請に対して行政庁が相当な期間を経過しても処分をしないことです。不作為についての審査請求は、不適法であれば却下、理由がなければ棄却、理由があれば認容となります。認容された場合は、不作為が違法または不当である旨が宣言され、一定の処分をすべき旨の命令や、一定の処分がされます。
