大規模災害時の国と地方公共団体の関係とは?関与の特例を解説

地方自治法は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態では、国と地方公共団体が迅速に対応するための特例を定めています。

この記事では、大規模災害時に認められる国や都道府県の関与の特例と、自治体間の応援や職員派遣に関する国の役割を解説します。

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通常時の国と地方公共団体の関係と関与の原則

「関与」とは

地方自治法上の「関与」とは、国の行政機関や都道府県の機関が、普通地方公共団体の事務の処理について行う行為をいいます。助言・勧告、資料提出の要求、是正の要求、同意、許可・認可・承認、指示、代執行、協議などが含まれます(地方自治法245条)。

国や都道府県の関与には法律上の制限がある

国や都道府県が地方公共団体に関与する際は、原則として、その根拠や態様が法律または法律に基づく政令によらなければなりません(地方自治法245条の2)。また、関与は目的を達成するために必要な最小限度のものとし、地方公共団体の自主性・自立性にも配慮する必要があります(同法245条の3第1項)。

大規模災害時には特例が設けられている

大規模な災害、感染症のまん延その他これらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態では、通常時の関与に加えて、資料や意見の提出の要求、事務処理の調整の指示、生命などの保護に関する指示、自治体間の応援や職員派遣に関する特例が設けられています。

大規模災害時に認められる国の関与の特例

資料や意見の提出を求めることができる

大規模な災害、感染症のまん延など、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、または発生するおそれがある場合、各大臣や都道府県知事などは、事態への対処に関する基本的な方針を検討したり、生命などを保護する措置を講じたりするため必要があると認めるとき、普通地方公共団体に資料や意見の提出を求めることができます(地方自治法252条の26の3)。

都道府県に市町村との事務処理の調整を指示できる

各大臣は、国民の生命などを保護する措置を的確かつ迅速に実施するため、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に係る都道府県において、一つの市町村の区域を超える広域の見地から、都道府県の事務の処理とその区域内の市町村の事務の処理との間の調整を図る必要があると認めるとき、当該都道府県に対し、必要な措置を講ずるよう指示できます(同法252条の26の4)。

生命などの保護に必要な措置を指示できる

一定の要件と手続のもとで、各大臣は普通地方公共団体に対し、国民の生命などの保護を的確かつ迅速に実施するため、その事務処理について講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができます(同法252条の26の5)。

自治体間の応援や職員派遣に関する特例

地方自治法は、普通地方公共団体相互間の応援の要求、都道府県や国による応援の要求・指示、職員派遣のあっせんなどを可能にしています(同法252条の26の6から同条の26の10)。

大規模災害時の国と地方公共団体の関係を理解するポイント

  • 通常時、国や都道府県の関与には法律または法律に基づく政令による根拠が必要です。
  • 関与は、目的を達成するために必要な最小限度のものとし、地方公共団体の自主性・自立性に配慮するのが原則です。
  • 重大な災害などの事態では、資料や意見の提出を求めることができます。
  • 広域調整のため、国が都道府県に事務処理の調整を指示できます。
  • 生命などの保護に必要な措置について、一定の要件と手続のもとで指示が可能です。
  • 自治体間の応援や職員派遣について、応援の要求・指示や職員派遣のあっせんなどが可能です。

大規模災害時には、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に対応するため、資料や意見の提出要求、広域的な事務処理の調整、生命などの保護に関する指示、自治体間の応援や職員派遣に関する特例が認められています。