税理士会が政治団体に寄付するのは違法?南九州税理士会事件を解説

税理士会が政治団体に寄付することは認められるのでしょうか。南九州税理士会事件で最高裁は、税理士会が政党などの政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付することは、税理士会の目的の範囲外であると判断しました。

また、その寄付のために会員から特別会費を徴収する旨の総会決議も無効とされました。この判決では、税理士会の目的に照らして、政治団体への寄付が認められる活動かどうかが問題となりました。

南九州税理士会事件の結論

この事件では、税理士法の改正を有利な方向に働きかけるための資金として、税理士会が会員から特別会費を徴収し、特定の政治団体に寄付しました。これに対し、その寄付と特別会費の徴収を決めた総会決議の有効性が争われました。

最高裁は、政党など政治資金規正法上の政治団体への寄付は、税理士会の目的の範囲外であると判断しました。そのため、寄付のために会員から特別会費を徴収する旨の総会決議も無効となります。

なぜ政治団体への寄付が認められなかったのか

税理士会は、税理士として活動するために加入が必要となる強制加入団体です。会員には脱退の自由がないため、会費の使い道は税理士会の目的に沿っていなければなりません。

どの政治団体を支持するか、そもそも政治団体に寄付するかどうかは、個人の政治的な考えに基づいて自主的に決める事柄です。会員全員が同じ政治的意見を持つとは限らないにもかかわらず、税理士会が会費を集めて寄付すれば、会員の意思に反して政治的な負担を求めることになります。

寄付の目的によって判断が異なる場合がある

南九州税理士会事件で問題となったのは、政治団体への寄付です。強制加入団体による寄付についても、その目的や相手方などによって、目的の範囲内かどうかが判断されます。

実際に、群馬司法書士会事件では、震災で被害を受けた他の司法書士会への復興支援について、業務上の関係がある団体への援助として目的の範囲内とされました。政治団体への寄付と、関係団体への災害支援では、寄付の目的が異なるため、同じ結論にはなりません。

まとめ

  • 南九州税理士会事件では、政治団体への寄付は税理士会の目的の範囲外とされた
  • 寄付のために会員から特別会費を徴収する旨の総会決議も無効とされた
  • 背景には、税理士会が強制加入団体であり、政治的な寄付は会員が自主的に決めるべき事柄だという考えがある
  • 寄付は、その相手や目的によって、団体の目的の範囲内かどうかが判断される