刑事被告人とは、犯罪を犯したとして検察官に起訴された者をいいます。まだ起訴されていない捜査対象者は「被疑者」と呼ばれ、被告人とは区別されます。
日本国憲法37条1項は、刑事被告人について、次の権利を保障しています。
すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
刑事被告人の権利を保障する憲法37条とは
憲法37条1項が保障する権利は、次の3つの要素から成り立ちます。
- 公平な裁判所で審理を受ける権利
- 迅速な裁判を受ける権利
- 公開された裁判を受ける権利
なお、憲法37条は、証人に対して審問する機会を十分に与えられる権利や、公費で証人を求める権利、弁護人を依頼する権利も定めていますが、この記事では37条1項の内容に絞ります。
公平・迅速・公開の裁判を受ける権利の意味
公平な裁判所で審理を受ける権利
「公平な裁判所」とは、裁判所の構成などにおいて偏りのない裁判所をいいます。
たとえば、殺人罪で起訴された事件の裁判官が被告人の親族であった場合、公平な裁判は期待できません。そこで、刑事訴訟法には、裁判官が事件の当事者または事件自体と特殊な関係にある場合に、裁判官を裁判から排除する定めがあります。
迅速な裁判を受ける権利
被告人は、迅速な刑事裁判を受ける権利を有します。憲法37条1項は、迅速な裁判を一般的に保障するため、必要な立法上および司法行政上の措置をとることを要請しています。
もっとも、裁判が長期化しただけで、直ちに権利侵害となるわけではありません。審理の著しい遅延によって被告人の権利が害される「異常な事態」が生じた場合には、具体的な法律の規定がなくても、手続を続けず審理を打ち切るという非常救済手段がとられるべきとされています。
公開裁判を受ける権利
憲法37条1項は、被告人が迅速な公開裁判を受ける権利を保障しています。
憲法37条1項が保障する権利のポイント
「公平」「迅速」「公開」は、それぞれ異なる要素ですが、いずれも被告人が刑事裁判を受けるうえで重要です。被告人は、偏りのない裁判所で、迅速な公開裁判を受ける権利を憲法上保障されています。
