二院制とは?衆議院の優越が認められる事項をわかりやすく解説

日本の国会は、衆議院と参議院の2つの議院で構成されています。この仕組みを二院制といいます。

原則として、法律案や予算などは、衆議院と参議院の意思が一致して初めて成立します。ただし、両議院の意見が一致しないたびに国政が止まることを防ぐため、一定の事項では衆議院の優越が認められています。

二院制とは

衆議院と参議院で国会を構成する制度

日本国憲法42条は、国会を衆議院と参議院で構成すると定めています。両議院はそれぞれ独立して審議・議決を行い、原則として両方の議決が一致したときに国会としての意思が成立します。

二院制が採用されている理由

2つの議院で審議することで、法案などを慎重に検討できます。また、衆議院と参議院では任期や選出方法が異なるため、国民の多様な意見を反映しやすくなります。

一方で、議決が一致しなければ審議に時間がかかります。そこで、迅速な対応が必要な事項について、衆議院の優越が設けられています。

衆議院の優越が認められる事項

区分 事項
衆議院だけが権限を持つもの 予算の先議、内閣の不信任決議
議決が異なる場合に衆議院が優越するもの 法律案、予算、条約の承認、内閣総理大臣の指名

衆議院だけが権限を持つ事項

予算の先議権

憲法60条1項により、予算はまず衆議院に提出しなければなりません。衆議院で議決した後、参議院に送られます。

内閣の不信任決議権

憲法69条により、内閣の不信任決議を行えるのは衆議院だけです。衆議院で不信任決議案が可決されるか、信任決議案が否決された場合、内閣は10日以内に衆議院を解散しない限り、総辞職しなければなりません。

参議院の問責決議には、憲法69条の不信任決議と同じ法的効果はありません。

議決が異なる場合の衆議院の優越

法律案

法律案は、憲法に特別の定めがある場合を除き、両議院で可決されると法律になります。しかし、衆議院で可決し、参議院が異なる議決をした場合、衆議院が出席議員の3分の2以上で再び可決すれば、法律として成立します。

両院協議会の開催は任意です。また、参議院が法律案を受け取った後、国会休会中を除いて60日以内に議決しないときは、衆議院は参議院が否決したものとみなせます。

予算と条約の承認

予算または条約の締結に必要な承認については、両院協議会を開いても意見が一致しない場合、または参議院が受け取った後、国会休会中を除いて30日以内に議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決となります。

法律案とは異なり、衆議院による3分の2以上の再議決は必要ありません。両院協議会の開催は必要です。

内閣総理大臣の指名

衆議院と参議院が異なる指名の議決をした場合、両院協議会を開いても意見が一致しないとき、または衆議院が指名の議決をした後、国会休会中を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となります。

まとめ

二院制は、衆議院と参議院が慎重に審議する仕組みです。ただし、国政の停滞を避けるため、予算の先議や内閣不信任決議は衆議院だけに認められ、法律案・予算・条約の承認・内閣総理大臣の指名では、一定の条件のもとで衆議院の議決が優先されます。