最高裁判所と下級裁判所の裁判官は、いずれも内閣が関与して任命されます。ただし、任命の仕組み、任期、国民審査の有無、罷免の方法には違いがあります。
最高裁判所裁判官と下級裁判所裁判官の違い【比較表】
| 項目 | 最高裁判所の裁判官 | 下級裁判所の裁判官 |
|---|---|---|
| 任命 | 長たる裁判官は、内閣の指名に基づき天皇が任命。その他は内閣が任命 | 最高裁判所が指名した者の名簿により、内閣が任命 |
| 任期 | 定めなし | 10年 |
| 再任 | — | 可能 |
| 国民審査 | あり | なし |
| 退官 | 法定の年齢に達したとき | 法定の年齢に達したとき |
| 罷免 | 国民審査、裁判による決定、公の弾劾 | 裁判による決定、公の弾劾 |
裁判官の任命方法を比較
最高裁判所裁判官の任命
最高裁判所の長たる裁判官は、内閣が指名し、その指名に基づいて天皇が任命します(憲法6条2項)。一方、長以外の最高裁判所裁判官は、内閣が任命します(憲法79条1項)。
下級裁判所裁判官の任命
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所が指名した者の名簿により、内閣が任命します(憲法80条1項)。このように、最高裁判所の長たる裁判官では天皇による任命があるのに対し、下級裁判所裁判官では最高裁判所の名簿が任命の前提になります。
裁判官の任期・退官を比較
最高裁判所裁判官には、通常の意味での任期がありません。ただし、法定の年齢に達すると退官します。また、任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査を受け、その後も10年を経過するごとに、初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査を受けます。
これに対し、下級裁判所裁判官の任期は10年です。任期満了後は再任されることができ、最高裁判所裁判官と同様に、法定の年齢に達すると退官します。
裁判官の罷免方法を比較
最高裁判所裁判官
最高裁判所裁判官は、国民審査で罷免を可とする投票が投票者の多数となった場合に罷免されます。国民審査以外にも、心身の故障のために職務を執ることができないと裁判により決定された場合や、公の弾劾による場合には罷免されます。
下級裁判所裁判官
下級裁判所裁判官には国民審査がありません。ただし、最高裁判所裁判官と同じく、心身の故障のために職務を執ることができないと裁判により決定された場合や、公の弾劾による場合には罷免されます。
まとめ|任期と国民審査が大きな違い
- 最高裁判所裁判官は任期がなく、国民審査を受ける
- 下級裁判所裁判官の任期は10年で、再任できる
- 国民審査があるのは最高裁判所裁判官だけ
- 両者とも、心身の故障のために職務を執ることができないと裁判により決定された場合や、公の弾劾によって罷免される場合がある
