不特定物・種類物とは
不特定物は「種類と数量」で指定される物
不特定物とは、種類物とも呼ばれ、「ビール100本」のように、その種類と数量を指定して取引される代替性のある物をいいます。
特定物との違い
特定物とは、その物の個性に着目した代替性のない唯一物を指します。不動産、中古車、骨董品などが代表例です。
所有権の移転時期を判断するには、目的物が特定物か不特定物かを区別する必要があります。
不特定物の所有権は「目的物が特定した時」に移転する
原則は、売買契約後に目的物が特定した時
不特定物の売買では、売買契約成立後、その目的物が特定すると同時に、その目的物の所有権が買主へと移転します(最判昭35・6・24)。
契約成立時には、同じ種類の物のうち、どの物が買主に引き渡されるのかが決まっていないためです。
特定物の売買との違い
特定物である不動産の売買契約では、当事者の特約がない限り、原則として契約成立時に所有権移転の効力が生じます(民法176条)。これに対し、不特定物は、契約成立後に目的物が特定した時が基準です。
所有権の移転時期は契約で定められる
売買契約による所有権の移転など、当事者の契約を原因とする物権変動では、意思主義の原則により、当事者が物権変動の時期を自由に定めることができます。
したがって、契約で所有権の移転時期について特約を定めている場合は、その内容に従います。特約がない場合の基本的な整理は、次のとおりです。
- 特定物:原則として契約成立時
- 不特定物:目的物が特定した時
例えば、特定物である土地の売買について、所有権の移転時期を代金受領時とする特約を定めることもできます。
まとめ:不特定物の所有権は特定時に移転する
不特定物は、種類と数量によって指定される代替性のある物です。原則として、売買契約成立後、その目的物が特定すると同時に所有権が買主へ移転します。
ただし、当事者が所有権の移転時期について特約を定めている場合は、その契約内容に従います。特定物は契約成立時、不特定物は目的物の特定時という違いを押さえておきましょう。
