不動産の付合とは?増築部分や立木の所有権をわかりやすく解説

不動産の付合とは、不動産に他の物(動産)が附属し、利用上または社会経済上、容易に分離できない状態になることです。増築部分や土地に植えられた立木などの所有権が問題になる場面で適用されます。

不動産の付合とは

不動産に動産が附属し、容易に分離できなくなること

不動産の付合とは、建物や土地に動産が附属し、利用上または社会経済上、容易に分離できない状態となることをいいます。例えば、建物にベランダを附属させた場合などが挙げられます。

付合が成立した場合の基本ルール

不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得します(民法242条本文)。契約による譲渡ではなく、法律の規定によって所有権を取得するため、原始取得にあたります。

増築部分の所有権は誰に帰属するのか

建物の構成部分となった増築部分は建物所有者の所有になる

例えば、Aが所有する建物に、賃借人Bが増築を行ったとします。この場合、増築部分が建物と別個独立した存在を有さず、建物の構成部分となっているときは、その増築部分はAの所有に属します(最判昭38・5・31)。

したがって、増築したという事実だけで所有権が決まるのではなく、増築部分が既存の建物と別個独立した存在を有するかどうかが重要です。

土地に植えた立木や耕作物の所有権は誰に帰属するのか

無権原で植えた立木や耕作物は土地所有者の所有になる

Aが所有する土地を使用する権原のないBが、その土地に播種または植林した場合、その耕作物または立木はAの所有に属します(最判昭31・6・19)。

そのため、土地所有者は、無権原で植林された立木についても所有権を主張できます。

土地の利用権限がある人が附属させた場合の例外

ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利は妨げられません(民法242条ただし書)。例えば、土地に地上権、永小作権または賃借権を有する人が、自己の利用のために土地に附属させた工作物や苗木については、土地所有者の所有権は及びません。

不動産の付合に関する注意点

当事者間の合意で異なる定めを置ける

付合に関する民法の規定は任意規定です。そのため、当事者は、合意によって民法の規定とは異なる定めをすることができます。増築部分、工作物、苗木などについて合意がある場合は、その内容を確認する必要があります。

所有権を失った者は償金を請求できる

付合によって物の所有権が消滅し、損失を受けた者は、不当利得の規定に従い、利得者に償金を請求することができます(民法248条)。