不法行為による損害賠償では、被害者側にも過失がある場合、その過失が損害賠償額に影響することがあります。これを過失相殺といいます。
不法行為における過失相殺とは
過失相殺の意味と民法上の根拠
過失相殺とは、不法行為の発生について被害者側にも過失があるときに、裁判所が損害賠償額を定めるにあたり、その過失を考慮する制度です。根拠は民法722条2項です。
たとえば、「道路に急に飛び出したため、交通事故に遭った」などの場合には、被害者側の過失が考慮されることがあります。
不法行為の過失相殺は任意的
民法722条2項は、裁判所が被害者側の過失を「考慮することができる」と定めています。そのため、不法行為責任における過失相殺は任意的過失相殺と呼ばれます。
これに対し、債務不履行責任における過失相殺は必要的とされています(民法418条)。不法行為責任と債務不履行責任では、過失相殺の扱いが異なります。
被害者が未成年者の場合の過失相殺
被害者が未成年者の場合、その過失を考慮するためには、その未成年者に事理を弁識する能力があればよいとされています。事理を弁識する能力とは、6歳前後の能力をいいます。
この場合、不法行為について本人が責任を負うための責任能力までは必要とされません。
まとめ
不法行為の過失相殺とは、不法行為の発生について被害者側にも過失があるときに、その過失を損害賠償額の算定で考慮する制度です。根拠は民法722条2項です。
不法行為における過失相殺は任意的であり、債務不履行における過失相殺とは扱いが異なります。また、未成年者については、責任能力ではなく事理を弁識する能力があれば、その過失を考慮することができます。
