区分地上権とは、他人の土地について、地下または空間のみを利用する目的で、上下の範囲を定めて設定する地上権です。土地全体を使うのではなく、地下や空中の一定範囲を対象にできる点に特徴があります。
この記事では、区分地上権の意味や設定方法、通常の地上権との違い、登記の必要性などを解説します。
区分地上権とは
地下または空間の一定範囲を利用する地上権
地上権は、他人の土地で工作物または竹木を所有するために、その土地を使用できる物権です(民法265条)。工作物には、建物のほか、高架橋や鉄塔など、土地の地上、空中または地下に建設できる施設が含まれます。
このうち、地下鉄やモノレールの施設を建設する目的など、地下または空間のみを対象として、上下の範囲を定めて設定する地上権を区分地上権といいます(民法269条の2)。
区分地上権はどのように設定するか
土地所有者との契約で設定する
区分地上権は、土地所有者との間で地上権設定契約を結ぶことで取得できます。
第三者に主張するには登記が必要
地上権設定契約によって地上権を取得できますが、第三者に対してその権利を主張するには、地上権設定登記が必要です(民法176条、177条)。そのため、契約だけで済ませず、登記を備えることが重要です。
区分地上権の主な特徴
区分地上権は地上権の一種であり、物権としての効力を持ちます。原則として、地上権者は設定者の承諾がなくても、区分地上権を譲渡・賃貸できます。また、区分地上権を目的として抵当権を設定することも可能です。
地代の定めは任意です。地代を定める場合には、永小作権や賃借権の規定が準用されます(民法266条)。存続期間についても、最短・最長の制限はありません。
存続期間を定めなかった場合、別段の慣習がなければ、地上権者はいつでもその権利を放棄できます。ただし、地代の定めがあるときは、1年前に予告するか、期限が到来していない1年分の地代を支払う必要があります(民法268条1項)。
地上権者が権利を放棄しない場合は、当事者の請求により、裁判所が20年以上50年以下の範囲で存続期間を定めます(民法268条2項)。
区分地上権と通常の地上権の違い
通常の地上権も、工作物や竹木を所有するために他人の土地を利用する権利です。区分地上権との違いは、利用する範囲にあります。
区分地上権は、地下または空間のみを目的として、上下の範囲を定めて設定されます。これに対し、通常の地上権は、地上、空中または地下に建設可能な工作物などを所有する目的で設定できます。
まとめ
- 区分地上権は、地下または空間の一定範囲に設定する地上権
- 地下や空中に工作物を所有する目的で利用できる
- 土地所有者との契約で設定し、第三者への対抗には登記が必要
- 地代の定めは任意で、存続期間にも最短・最長の制限はない
- 存続期間を定めなかった場合、一定の条件のもとで裁判所が期間を定めることがある
- 通常の地上権との違いは、地下または空間のみを対象として上下の範囲を定める点にある
