根抵当権の極度額とは?担保される金額の上限を解説

根抵当権の極度額とは、根抵当権によって担保される金額の上限です。根抵当権は、継続的な銀行取引や売買取引などから生じる複数の債権をまとめて担保できますが、不動産が担保する範囲には限度があります。

根抵当権の極度額とは、担保される金額の上限

根抵当権は一定範囲の不特定の債権を担保する

特定の債権を担保する抵当権に対し、根抵当権は、設定契約で定めた一定の範囲に属する不特定の債権を担保します。たとえば、継続的な銀行取引から発生する債権などが対象になります。

根抵当権を設定するときは、被担保債権の範囲、極度額、債務者を必ず定めます。被担保債権とは、根抵当権によって担保される債権のことです。

極度額は当事者が定める

極度額は、根抵当権を設定する不動産が担保すべき限度額です。当事者が自由に定めることができ、根抵当権者が根抵当権を行使できるのは、確定した元本、利息その他の定期金および債務不履行による損害賠償を含め、この金額の範囲内です。

極度額に含まれる金額と実際の債務額との関係

極度額には元本だけでなく利息なども含まれる

極度額は、借入元本だけの上限ではありません。根抵当権では、確定した元本に加え、次の金額も極度額を限度として担保されます。

  • 利息その他の定期金
  • 債務不履行によって生じた損害賠償

実際の債務額が極度額を超えても、担保されるのは極度額まで

元本や利息、損害賠償などを合計した債務額が極度額を超えても、不動産が担保するのは極度額までです。反対に、実際の債務額が極度額を下回る場合は、存在する債務の額までが担保されます。

具体例で確認する

極度額を1,000万円として根抵当権を設定した場合、確定後の元本・利息・損害賠償の合計が700万円なら、担保されるのは700万円です。合計が1,200万円になっても、根抵当権で担保されるのは1,000万円までです。

極度額と元本確定の関係

元本確定前は、一定範囲の債権を継続的に担保する

元本確定前は、設定契約で定めた範囲内で債権が発生したり弁済されたりしても、根抵当権は直ちに消滅しません。ただし、担保される金額の上限は、設定時に定めた極度額です。

元本確定後は、担保される元本が確定する

元本確定期日などによって元本が確定すると、その時点で根抵当権が担保する元本も確定します。元本確定期日は必ず定める必要はありませんが、設定時に定める場合は、設定契約から5年以内の日とする必要があります。確定後も、利息や損害賠償を含む担保の上限は極度額です。

根抵当権の極度額は変更・減額できるのか

極度額の変更には利害関係人の承諾が必要になる場合がある

極度額は変更できます。元本確定後も変更できますが、増額変更などでは、後順位抵当権者などの利害関係人の承諾が必要です。特に増額は、後順位の担保権者が回収できる範囲に影響するため注意が必要です。

元本確定後は、設定者が極度額の減額を請求できる

元本確定後、根抵当権設定者は、極度額を、現に存在する債務に、以後2年間に生じる利息その他の定期金および債務不履行による損害賠償を加えた額まで減額するよう請求できます。

まとめ

  • 根抵当権の極度額とは、担保される金額の上限です。
  • 元本だけでなく、利息や損害賠償も含めて極度額まで担保されます。
  • 実際の債務額が極度額を下回ればその額まで、上回っても極度額までが担保の範囲です。
  • 極度額は変更できますが、増額変更などでは利害関係人の承諾が必要です。