主たる債務者に生じた事由は保証人に影響する?保証債務への効力を解説

主たる債務者に生じた事由が、保証人の責任にも影響するのかは、保証契約を理解するうえで重要なポイントです。結論として、主たる債務者に生じた事由は、保証人の負担を重くするものでない限り、保証人にも効力が及びます。

ここでは、時効、抗弁、相殺などが保証債務に与える影響を説明します。

主たる債務者に生じた事由は、保証人にも効力が及ぶ

保証債務には主たる債務への付従性がある

保証債務とは、主たる債務者が債務を履行しない場合に、保証人が代わりに履行する債務です。そのため、主たる債務に関する事由は、原則として保証債務にも影響します。

たとえば、主たる債務が弁済などによって消滅すれば、それを担保する保証債務も消滅します。これを、保証債務の付従性といいます。

一方、保証人の負担が主たる債務より重くなることは認められません。保証契約を結んだ後に主たる債務の目的や態様が加重されても、その加重部分まで保証人が責任を負うわけではありません。

主たる債務者への請求による時効の効果も保証人に及ぶ

主たる債務者に対する履行請求その他の事由によって、主たる債務の時効の完成猶予や更新が生じた場合、その効力は保証人にも及びます(民法457条1項)。

主たる債務者が主張できる抗弁や権利を、保証人も主張できる

主たる債務者の抗弁を保証人が債権者に対抗できる

保証人は、主たる債務者が主張できる抗弁を使い、保証債務の履行を拒むことができます(民法457条2項)。たとえば、契約当事者の一方が先に義務を果たすまで、相手方が自分の履行を拒める同時履行の抗弁が挙げられます。

相殺権・取消権・解除権によって主たる債務が減る場合

主たる債務者が債権者に対する反対債権を持ち、相殺できる場合、保証人はその相殺権を債権者に対抗できます(民法457条3項)。主たる債務者が相殺によって債務を免れる限度で、保証人も保証債務の履行を拒むことができます。

また、主たる債務者が契約の取消権や解除権を行使し、その結果として債務を免れる場合も同様です。主たる債務者が債務を免れる限度で、保証人は債権者に対する債務の履行を拒むことができます。