根抵当権の内容は変更できる?変更できる事項と条件を解説

根抵当権は、契約を結んだ後でも内容を変更できる場合があります。ただし、変更できる事項や必要な手続きは、根抵当権の元本が確定する前か後かによって異なります。

元本確定とは、根抵当権が担保する元本の範囲が最終的に決まることです。変更を検討するときは、まず元本が確定しているかを確認しましょう。

根抵当権の内容は変更できるが、元本確定の前後で扱いが異なる

根抵当権で変更の対象となる主な事項は、次の4つです。

変更事項 変更できる時期 利害関係人の承諾
被担保債権の範囲 元本確定前 不要
債務者 元本確定前 不要
元本確定期日 元本確定前 不要
極度額 元本確定前・元本確定後 必要(増額変更時の後順位抵当権者など)

元本が確定すると、被担保債権の範囲、債務者、元本確定期日は変更できません。一方、極度額は、元本確定後も利害関係人の承諾を得て変更できます。

元本確定前に変更できる事項と条件

被担保債権の範囲を変更する場合

被担保債権の範囲とは、根抵当権が担保する取引や債権の種類です。銀行取引や売買取引など、契約で定めた取引の範囲を変更できます。ただし、変更できるのは元本確定前に限られます。

利害関係人の承諾は必要ありませんが、元本確定前に変更登記をしなければ、変更しなかったものとみなされます。

債務者を変更する場合

根抵当権で担保される債務者も、元本確定前であれば変更できます。承諾は不要ですが、変更内容を元本確定前に登記する必要があります。登記が間に合わなければ、変更の効果は認められません。

元本確定期日を変更する場合

元本確定期日も、元本確定前であれば変更可能です。当事者の合意により、変更後の期日を5年以内の日とする必要があります。

さらに、変更前の元本確定期日より前に変更登記をする必要があります。登記をしないまま期日を迎えると、変更前の期日に元本が確定します。

極度額は元本確定後も変更できるが、条件がある

合意によって極度額を変更する場合

極度額とは、根抵当権によって担保される金額の上限です。極度額は元本確定前だけでなく、元本確定後も変更できます。

ただし、変更には利害関係人の承諾が必要です。特に増額変更時には、後順位抵当権者などの承諾が必要となります。

元本確定後に極度額の減額を請求できる場合

元本確定後、根抵当権設定者は極度額の減額を請求できます。減額後の金額は、現に存在する債務に、今後2年間に発生する利息などの定期金と、債務不履行による損害賠償額を加えた額が基準となります。

これは、当事者の合意による変更とは別に認められた減額請求です。

根抵当権の内容変更で注意すべきポイント

  • 手続きの前に、元本が確定しているか確認する。
  • 被担保債権の範囲、債務者、元本確定期日は、元本確定前でなければ変更できない。
  • 被担保債権の範囲や債務者の変更は、元本確定前の登記が必要である。
  • 元本確定期日の変更も、変更前の期日までに登記しなければならない。
  • 極度額の変更では、利害関係人の承諾が必要である。

まとめ

根抵当権の内容は変更できますが、元本確定の前後で変更できる事項が異なります。被担保債権の範囲、債務者、元本確定期日は、元本確定前に限って変更可能です。極度額は元本確定後も変更できますが、利害関係人の承諾が必要です。変更登記に期限がある事項もあるため、期限に注意して手続きを進める必要があります。