養子縁組に家庭裁判所の許可は必要?未成年者・後見人・配偶者の要件を解説

養子縁組は、原則として家庭裁判所の許可がなくても成立します。当事者に養子縁組をする意思があり、法律上の条件を満たしたうえで、役所に届出をするためです。

ただし、未成年者を養子にする場合や、後見人が被後見人を養子にする場合には、原則として縁組前に家庭裁判所の許可が必要です。

もっとも、未成年者が養親本人または養親の配偶者の子や孫など、直系卑属にあたる場合は許可がいりません。この記事では、普通養子縁組に関する主なルールを説明します。

養子縁組に家庭裁判所の許可が必要になるケース

原則として、養子縁組に家庭裁判所の許可は必要ない

20歳に達した者は、原則として養親になることができます。未成年者を養子にする場合や後見人が被後見人を養子にする場合を除き、通常、家庭裁判所の許可は必要ありません。

養親と養子の双方に縁組の意思があり、年齢や親族関係などの条件に違反せず、届出をすれば成立します。

未成年者を養子にする場合は原則として許可が必要

未成年者を養子にするには、年齢が15歳未満か15歳以上かにかかわらず、原則として家庭裁判所の許可が必要です。

例外は、養子が養親本人または養親の配偶者の直系卑属である場合です。直系卑属とは、子や孫のように、自分より後の世代にあたる親族をいいます。配偶者の子を養子にする、いわゆる連れ子の縁組が代表的なケースです。

後見人が被後見人を養子にする場合は許可が必要

後見人が被後見人を養子にする場合も、家庭裁判所の許可が必要です。対象は未成年被後見人だけでなく、成年被後見人も含まれます。

また、後見人の任務が終わった後でも、管理の計算が終わるまでは同じ扱いです。

未成年者を養子にする場合の承諾・代諾の要件

養子が15歳未満の場合

15歳未満の子は、自分で養子縁組の承諾をするのではなく、法定代理人が本人に代わって承諾します。これを代諾といいます。代諾とは別に、原則として家庭裁判所の許可も必要です。

養子が15歳以上の場合

15歳以上の未成年者は、本人が自ら養子縁組を承諾します。法定代理人による代諾や同意は必要ありませんが、未成年者を養子にすることについては、原則として家庭裁判所の許可が必要です。

未成年者でも家庭裁判所の許可が不要な場合

養子が養親本人または養親の配偶者の直系卑属であれば、未成年者であっても家庭裁判所の許可は不要です。ただし、15歳未満なら法定代理人による代諾、15歳以上なら本人の承諾が必要になります。

配偶者がいる場合に必要となる夫婦共同縁組・同意

配偶者のある者が未成年者を養子にする場合

配偶者がいる人が未成年者を養子にする場合は、原則として配偶者と一緒に縁組をします。これを夫婦共同縁組といいます。

ただし、養子が配偶者の嫡出子である場合、つまり配偶者の連れ子を養子にする場合は、夫婦共同縁組は必要ありません。また、配偶者が縁組について意思を表示できない場合も例外です。

配偶者のある者が縁組をする場合

配偶者がいる人が養親または養子として縁組をする場合は、原則として配偶者の同意が必要です。ただし、配偶者と一緒に縁組をするとき、または配偶者が意思を表示できないときは、同意は必要ありません。

このように、家庭裁判所の許可が必要かどうかと、配偶者の共同縁組・同意が必要かどうかは別の問題です。未成年者との縁組では、両方の要件を確認する必要があります。