不動産質とは、債務の担保として不動産を債権者に引き渡し、債権者がその不動産を占有する担保物権です。債務者が返済しない場合、質権者は不動産を換価し、他の債権者に優先して弁済を受けられます(民法342条、356条~360条)。
不動産質とは
不動産質の意味
質権とは、債権を担保するために、債務者または物上保証人から目的物の引渡しを受け、弁済がなければその物から優先弁済を受ける権利です。不動産を目的物とする質権が不動産質です。
不動産質では、債務者または物上保証人が不動産を債権者に引き渡し、債権者がその不動産を占有します。返済がなければ、質権者は法律に定められた方法で換価して弁済を受けます。
不動産質の設定と第三者への対抗
不動産質は、当事者が合意するだけでは足りません。債務者または物上保証人から質権者へ、不動産を引き渡すことによって効力が生じます。さらに、第三者に対して不動産質を主張するには、質権設定の登記が必要です。
不動産質と抵当権の違い
| 比較項目 | 不動産質 | 抵当権 |
|---|---|---|
| 不動産の占有 | 質権者が占有する | 不動産質のように質権者へ占有が移る仕組みではない |
| 使用・収益 | 質権者ができる | 不動産質のように質権者へ使用・収益権が移転する仕組みではない |
| 担保としての効果 | 不動産から優先弁済を受ける | 不動産を担保に優先弁済を受ける |
両者の大きな違いは、担保を設定した後に不動産を誰が占有し、使用・収益できるかという点です。
不動産質権者の使用収益・費用負担・存続期間
質権者は不動産を使用・収益できる
質権者は、不動産の用法に従って使用・収益できます。
管理費用などは質権者が負担する
質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担も負います。
被担保債権の利息は請求できない
不動産質権者は、その債権の利息を請求できません。
存続期間は原則10年以内
不動産質権の存続期間は、10年を超えて定められません。10年を超える期間を定めても、存続期間は10年となります。更新はできますが、更新後の存続期間も、更新時から10年を超えることはできません。
まとめ
- 不動産質とは、不動産を債権者に引き渡して占有させる担保物権
- 質権者は不動産を用法に従って使用・収益できる
- 管理費用や不動産に関する負担は質権者が負う
- 質権者は被担保債権の利息を請求できない
- 存続期間は10年以内で、更新後も更新時から10年以内
