選択債権とは、数個の給付の中から選択することによって、債権の内容が定まる債権です(民法406条)。たとえば、「甲建物と乙建物のどちらかを選択する」ことによって給付の内容が確定する場合が挙げられます。
第三者が選択する場合のルール
第三者は意思表示によって選択する
選択債権において第三者が選択をすべき場合、その第三者は、債権者または債務者に対する意思表示によって選択します(民法409条1項)。
たとえば、甲建物または乙建物の選択を第三者が行う場合、その第三者が債権者または債務者に対して「甲建物を選択する」と意思表示をすることで、給付の内容が確定します。
第三者が選択できない・選択する意思がない場合
第三者が選択をすることができず、または選択をする意思を有しないときは、選択権は原則どおり債務者に移転します(民法409条2項)。債権者が当然に選択できるわけではありません。
選択肢の一部が給付不能になった場合
原則:残った給付だけに限定されない
債権の目的である給付の中に不能のものがある場合でも、原則として、その債権が残存する給付だけに限定されるわけではありません(民法410条)。選択権を有する者が給付不能となった給付を選択した場合には、履行不能による契約の解除などができます。
たとえば、甲建物が給付不能になった場合でも、直ちに乙建物だけが選択対象になるわけではありません。
例外:選択権者の過失で給付不能になった場合
ただし、給付不能が選択権を有する者の過失によって生じた場合は例外です。この場合、債権は残存する給付についてのみ存在します(民法410条)。
たとえば、選択権を持つ第三者の過失によって甲建物の給付が不能になった場合、債権は残存する乙建物についてのみ存在します。
まとめ
- 選択債権は、数個の給付から選択することで内容が定まる債権です。
- 第三者が選択する場合、債権者または債務者への意思表示によって選択します。
- 第三者が選択できない、または選択する意思がないときは、原則として債務者に選択権が移ります。
- 選択肢の一部が給付不能になっても、原則として残った給付だけには限定されません。
- ただし、選択権者の過失で給付不能になった場合は、残った給付についてのみ債権が存在します。
