共同保証人の求償権とは、1つの主たる債務について複数の保証人がいる場合に、そのうちの1人が弁済したとき、主たる債務者や他の保証人に対して求償できる権利です。
普通保証では、保証人の人数に応じて責任を分ける「分別の利益」があります。一方、連帯保証では分別の利益がなく、各連帯保証人が債務全額について責任を負います。ただし、自己の負担部分を超えて弁済した場合に、他の保証人へ求償できる点は共通しています。
共同保証人の求償権とは
共同保証と求償権の基本
共同保証とは、同じ主たる債務について複数の保証人がいる状態です。そのうちの1人が主たる債務者に代わって弁済した場合、保証の委託を受けていたかどうかなどに応じた範囲で、主たる債務者に求償できます。
さらに、自分が本来負担すべき部分を超えて弁済したときは、超過部分について他の共同保証人にも求償できます。
求償できる範囲は保証の委託の有無で異なる
主たる債務者から依頼されて保証した場合、原則として、債務を消滅させるために支出した財産の額を求償できます。これに加え、債務を消滅させた日以後の法定利息、避けられなかった費用や損害も対象になります。
これに対し、依頼を受けずに保証した場合は、求償できる範囲が制限されます。主たる債務者の意思に反しなければ、債務を消滅させた当時に主たる債務者が受けた利益の限度です。意思に反していた場合は、求償時に主たる債務者が現に受けている利益の限度に限られます。また、委託を受けていない保証人には、弁済前の事前求償権は認められません。
弁済期前に弁済した場合の注意点
主たる債務の弁済期より前に弁済した場合、委託を受けた保証人であっても、主たる債務者がその時点で受けた利益の範囲でしか求償できません。さらに、この求償権は、主たる債務の弁済期が到来するまで行使できません。
普通保証における共同保証人の求償権
普通保証では分別の利益がある
普通保証で保証人が複数いるときは、各保証人が原則として均等に分けた額だけを負担します。これが分別の利益です。たとえば保証人が4人なら、各人の負担部分は主たる債務の4分の1です。
1人が負担部分を超えて弁済した場合
ある保証人が自分の負担部分を超えて弁済したときは、その超過分を他の保証人に対して求償できます。各保証人への求償は、それぞれの負担部分に応じて行います。
普通保証でも分別の利益がなくなる場合
保証人同士で、債務全額について責任を負う特約をした場合は「保証連帯」となり、分別の利益がなくなります。ただし、保証連帯は連帯保証とは異なり、主たる債務者への催告を求める権利や、主たる債務者の財産から先に回収するよう求める権利は認められます。
連帯保証における共同保証人の求償権
連帯保証では各人が債務全額を負担する
連帯保証人には分別の利益がありません。そのため、複数の連帯保証人がいても、債権者は連帯保証人の1人に対し、債務全額を請求できます。連帯保証人は、先に主たる債務者へ請求するよう求めたり、主たる債務者の財産から先に回収するよう求めたりできません。
連帯保証人の1人が全額弁済した場合
連帯保証人の1人が債務全額を弁済した場合、その連帯保証人は主たる債務者に求償できます。また、他の連帯保証人に対しては、自分の負担部分を超えて支払った額を求償できます。負担割合について特段の定めがなければ、保証人間で原則として均等に分担します。
このように、債権者に対する責任は普通保証と連帯保証で大きく異なりますが、保証人が最終的な負担部分を超えて弁済した場合に、他の保証人へ求償できる点は共通しています。
