契約の分類には、当事者が負う債務に着目する双務契約・片務契約と、対価の有無に着目する有償契約・無償契約があります。4つは同じ基準による分類ではないため、分けて考えることが大切です。
双務契約と片務契約の違い
双務契約とは
双務契約とは、契約成立により、当事者双方が対価的な債務を負担する契約です。たとえば、売買契約では、売主が目的物を引き渡し、買主が代金を支払います。このように、双方の債務が対価的な関係にある点が特徴です。
- 売買契約
- 交換契約
- 賃貸借契約
- 雇用契約
- 請負契約
- 有償委任契約・有償寄託契約
- 組合契約・和解契約
片務契約とは
片務契約とは、契約成立により、一方のみが債務を負担する契約です。
- 贈与契約
- 消費貸借契約
- 使用貸借契約
- 無償委任契約・無償寄託契約
分類に注意が必要な契約
委任契約と寄託契約は、原則として片務契約です。ただし、報酬などの対価を伴う場合は、双務契約になります。終身定期金契約も、契約の内容によって双務契約または片務契約となります。
有償契約と無償契約の違い
有償契約とは
有償契約とは、対価を伴う、つまり給付が対価的意義を有する契約です。売買契約、賃貸借契約、雇用契約などが代表例です。
無償契約とは
無償契約とは、対価を伴わない契約です。贈与契約、使用貸借契約、無償の委任契約・寄託契約などが該当します。
有償・無償の分類で注意が必要な契約
委任契約と寄託契約は、原則として無償契約ですが、報酬などの対価を伴う場合は、有償契約です。また、利息付の消費貸借契約は、利息という対価を伴うため有償契約です。一方、契約成立後に債務を負うのは借主のみであるため、片務契約でもあります。
4つの契約類型の関係と違い
| 分類 | 判断基準 |
|---|---|
| 双務契約・片務契約 | 当事者双方が債務を負うか |
| 有償契約・無償契約 | 対価を伴うか |
したがって、双務契約と有償契約は同じ意味ではありません。整理すると、双務・有償契約、片務・無償契約、そして利息付の消費貸借契約のような片務・有償契約があります。双務契約はすべて有償契約であるため、双務・無償契約はありません。
まとめ
- 双務契約は、当事者双方が対価的な債務を負う契約
- 片務契約は、一方の当事者だけが債務を負う契約
- 有償契約は、対価を伴う契約
- 無償契約は、対価を伴わない契約
- 双務契約はすべて有償契約だが、有償・片務契約となる場合もある
