組合契約とは?成立要件・特徴・株式会社との違いをわかりやすく解説

組合契約とは、複数の当事者が出資をして、共同で事業を営むことを約束する契約です。株式会社のように所有者と経営者を分けるのではなく、原則として組合員自身が事業の運営に関わる点に特徴があります。

組合契約とは?成立要件をわかりやすく解説

組合契約の意味

組合契約は、民法667条1項に定められた契約です。各当事者が出資をし、共同の事業を営むことを約すると成立します。契約が成立した後の当事者を「組合員」と呼びます。

組合契約は、当事者の合意だけで成立する諾成契約、組合員が互いに出資などの義務を負う双務契約、各組合員が負担をして事業上の利益を得る有償契約です。

組合契約の成立に必要なこと

成立には、主に次の3点が必要です。

  • 2人以上の当事者がいること
  • 各当事者が出資すること
  • 共同の事業を営むことに合意すること

出資は金銭などの財産に限られず、労務を目的とすることもできます(民法667条2項)。

組合契約の主な特徴

組合員が共同で事業を運営する

業務執行者を定めていない場合、組合の常務以外の業務は、組合員の過半数で決定します。「組合の常務」とは、日常的で軽微な事務をいい、原則として各組合員が単独で行えます。組合員または第三者を業務執行者に選任することも可能です。

業務執行者を選任した場合は、業務執行者が組合の業務を決定し、執行します。また、総組合員の同意によって組合の業務を決定し、又は総組合員が執行することもできます。

組合財産は組合員全員の共有となる

各組合員が出資した財産は、総組合員の共有に属します(民法668条)。民法上の組合には法人格がなく、組合員が出資した財産を組合員全員で共有する仕組みです。

ただし、組合の存続中は、組合員が持分を譲渡したり、組合財産の分割を請求したりすることはできません。脱退した組合員は、脱退時の組合財産の状況に従って、持分の払戻しを受けることができます。

利益・損失の分配割合

組合活動で生じた利益や損失の分配割合を定めていない場合は、各組合員の出資価額に応じて決まります(民法674条1項)。利益または損失の一方だけについて割合を定めたときは、その割合が利益と損失の双方に共通すると推定されます(同条2項)。

組合契約に特有のルール

組合契約は双務契約ですが、通常の双務契約に関する同時履行の抗弁権や危険負担の規定は適用されません(民法667条の2第1項)。また、他の組合員が組合契約上の義務を履行しないことを理由に、組合契約を解除することはできません(同条2項)。

さらに、ある組合員について意思表示の無効・取消しの原因があっても、他の組合員間の組合契約の効力には影響しません(民法667条の3)。

組合員の脱退と組合の解散

組合の存続期間を定めなかった場合、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めた場合、各組合員はいつでも脱退できます。ただし、やむを得ない事由がなければ、組合に不利な時期に脱退することはできません(民法678条1項)。

存続期間を定めた場合でも、やむを得ない事由があるときは脱退できます。また、死亡、破産手続開始の決定、後見開始の審判、除名によって当然に脱退する場合があります(民法678条2項、679条)。除名には正当な事由が必要で、他の組合員全員の一致によって行います(民法680条)。

組合は、組合の目的である事業の成功又は成功の不能、存続期間の満了、組合契約で定めた解散事由の発生、総組合員の同意によって解散します(民法682条)。

組合契約と株式会社の違い

比較項目 組合契約 株式会社
事業運営 原則として組合員が自ら組合を運営 所有者と経営者の分離を原則とする
財産関係 組合財産は総組合員の共有 組合とは異なる仕組み
法人格 民法上の組合は法人格を持たない 組合とは異なる法人の仕組み

組合契約は、2人以上の組合員が出資をし、共同で事業を営む契約です。株式会社とは異なり、原則として組合員自身が組合を運営し、組合財産は総組合員の共有となります。

まとめ

組合契約とは、2人以上の当事者が出資をして、共同の事業を営むことを約束する契約です。出資には労務も含まれ、組合員自身が事業に関わる点、組合財産が組合員全員の共有となる点に特徴があります。株式会社との違いを確認するときは、誰が出資し、誰が事業を運営するのかに注目しましょう。