消費貸借契約とは、借りた物そのものではなく、同じ種類・品質・数量の物を返す契約です。代表例は、お金を借りて同額を返す金銭消費貸借契約です。
消費貸借には、目的物の引渡しで成立する要物契約と、書面などの合意だけで成立する書面でする消費貸借があります。以下では、両者の違いを説明します。
消費貸借契約とは
消費貸借契約の意味
消費貸借契約は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取り、後から同じ種類・品質・数量の物を返還する契約です。対象は金銭に限らず、米や酒など、代替可能な種類物も含まれます。
借りた物をそのまま返す使用貸借とは異なり、消費貸借では同じ内容の物を返す点が特徴です。
利息の有無
消費貸借は、利息の特約がなければ無利息が原則です。利息を付ける合意をした場合には有利息となります。この点は、要物契約でも書面でする消費貸借でも同じです。
要物契約としての消費貸借とは
成立するための条件
要物契約では、返還を約束しただけでは契約は成立しません。貸主が金銭その他の目的物を実際に引き渡し、借主が受け取ることが必要です。つまり、金銭を貸す約束をしていても、交付前であれば要物契約としての消費貸借は成立していません。
契約の性質
要物契約としての消費貸借は、原則として借主だけが返還義務を負う片務契約です。また、利息の特約がなければ無償契約であり、利息を定めた場合は有償契約になります。
書面でする消費貸借とは
成立するための条件
貸主が目的物を引き渡すこと、借主が同じ種類・品質・数量の物を返すことを、書面または電磁的記録で合意すると、目的物がまだ引き渡されていなくても契約が成立します。引渡しではなく合意で成立するため、諾成契約と呼ばれます。
要物契約との主な違い
| 種類 | 成立時期 |
|---|---|
| 要物契約 | 目的物を実際に受け取った時 |
| 書面でする消費貸借 | 書面または電磁的記録で合意した時 |
書面でする消費貸借が成立すると、借主は貸主に目的物の引渡しを請求できます。ただし、借主に必ず借りなければならない義務が生じるわけではありません。
引渡し前の解除など
借主は、目的物を受け取るまで契約を解除できます。ただし、貸主が解除によって損害を受けた場合、借主に損害賠償を請求できることがあります。
また、引渡し前に借主が破産手続開始の決定を受けた場合、書面でする消費貸借は効力を失います。なお、この契約も利息の合意がなければ無利息が原則です。
まとめ
- 消費貸借契約は、同じ種類・品質・数量の物を返す契約
- 要物契約は、目的物の引渡しによって成立する
- 書面でする消費貸借は、書面または電磁的記録による合意で成立する
- 両者の最も重要な違いは、引渡しが成立要件になるかどうか
- いずれも、利息の合意がなければ無利息が原則
