準消費貸借とは、すでに存在する金銭などの給付義務を、消費貸借契約に基づく返還義務へ切り替える契約です。代表的なのは、売買代金をすぐに支払えない場合に、その代金を借金として後日返済する形へ変更するケースです。
実際にお金を新たに貸し渡していなくても、当事者が合意すれば金銭消費貸借が成立したものと扱われる点に特徴があります。
準消費貸借とは
準消費貸借の意味
準消費貸借は、民法588条に定められています。金銭その他の物を給付する義務をすでに負っている人について、当事者がその給付の対象となる物を消費貸借の目的にすることを合意すると、消費貸借契約が成立したものとみなされます。
簡単にいえば、既にある支払義務などを、後から「借りた物を返す義務」に置き換える契約です。新たな金銭の交付は必要ありません。
売買代金を借金に切り替えるケース
たとえば、店舗が仕入先から商品を購入したものの、商品代金をすぐに支払えないとします。この場合、店舗と仕入先が合意して、代金を3か月後に返済する借入金として扱うことができます。必要に応じて、利息や返還時期を定めることもあります。
準消費貸借が成立する要件と効果
成立に必要な要件
準消費貸借の成立には、次の2点が必要です。
- 金銭その他の物を給付する義務が、すでに存在していること
- 当事者が、その給付の対象となる物を消費貸借の目的にすることを合意すること
したがって、売買代金の支払義務だけでなく、金銭その他の物を給付する義務が前提になります。また、債務者が一方的に借金へ変更できるわけではなく、当事者双方の合意が必要です。
準消費貸借の効果
要件を満たすと、消費貸借契約が成立したものとみなされます。通常の消費貸借のように、貸主が借主へ金銭を新たに引き渡す必要はありません。
もともと存在していた給付義務は、消費貸借に基づく返還義務として扱われ、合意した返還時期や利息などに従って返済する関係になります。
通常の消費貸借との違い
通常の消費貸借は、貸主から金銭などを受け取ることを前提として成立する場合があります。これに対して準消費貸借は、すでに存在する給付義務を消費貸借の目的にする合意によって成立します。つまり、新たな貸し渡しがないことが大きな違いです。
準消費貸借を利用するときに確認すること
契約を結ぶ際は、次の事項を明確にしましょう。
- 借金へ切り替える対象(売買代金や商品代金など)
- 返還する金額
- 返還時期や分割払いの有無
- 利息を付ける場合の利率と発生時期
- 既存の給付義務を消費貸借に変更することについての双方の合意
契約書を作成する場合は、対象となる債務、返還時期、利息などを具体的に記載しましょう。
まとめ
準消費貸借とは、すでに存在する金銭などの給付義務を、消費貸借の返還義務に切り替える契約です。売買代金をすぐに支払えない場合に、代金を借金として後日返済する形へ変更する場面が代表例です。
当事者が合意すれば、実際に金銭を新たに貸し渡さなくても消費貸借契約が成立したものとみなされます。利用する際は、対象となる債務、返還時期、利息などを明確にすることが重要です。
