地方自治体が事業者などに公金を支払うときは、担当部署の判断だけで手続を完了できるわけではありません。長による支出命令に加え、会計管理者が法令や予算への適合性、支出負担行為に係る債務の確定を確認する必要があります。
ここでは、地方自治体の支出方法について、会計管理者の役割と公金の支払方法を説明します。
地方自治体の「支出」とは
自治体の事務や法律上の負担に必要な経費を支払うこと
地方自治体の支出とは、自治体の事務を処理するために必要な経費や、法律・法律に基づく政令によって自治体の負担とされている経費を支弁することです(地方自治法232条1項)。
地方自治体の支出手続と会計管理者の確認
会計管理者は支出命令がなければ支出できない
会計管理者は、長から政令で定めるところによる支出命令を受けなければ、公金を支出できません(地方自治法232条の4第1項)。担当部署や会計管理者が、独自の判断で支払う仕組みではないということです。
支出命令を受けても2つの事項を確認する
支出命令が出された後も、会計管理者は次の点を確認しなければなりません(同条2項)。
- 支出負担行為が法令または予算に違反していないこと
支出負担行為が法令や予算に違反していないかを確認します。 - 支出負担行為に係る債務が確定していること
支出負担行為に係る債務が確定しているかを確認します。
つまり、「支出命令があること」と「会計管理者の確認を通ること」は別の要件です。
公金の支払方法
指定金融機関を通じた公金の支払い
都道府県は、金融機関を指定して、公金の収納または支払いを取り扱わせなければなりません(地方自治法235条1項)。一方、市町村は、金融機関を指定して取り扱わせることができます(同条2項)。
原則は小切手または公金振替書による支払い
指定金融機関を置いている場合、公金の支払いは原則として小切手または公金振替書の交付によって行います(地方自治法232条の6第1項)。
ただし、小口の場合には、例外として現金で支払うことも認められています。原則が小切手・公金振替書であり、現金払いは小口の場合に限られる点に注意しましょう。
まとめ
- 地方自治体の支出は、自治体の事務などに必要な経費や、法律などにより自治体の負担に属する経費を支弁することです。
- 会計管理者は、長の支出命令がなければ支出できません。
- 支出命令後も、法令・予算への適合性と債務の確定を確認します。
- 公金の支払いは、小切手または公金振替書による方法が原則です。
- 小口の場合には、例外的に現金払いが認められます。
